──目標を達成するために、田村さんは常に自分を客観視されています。「ブスである自分はどうすべきか」という観点が常にあります。
田村:見た目は人間の一つの要素で、もちろんすべてではありません。ただ、恋愛や結婚においてはそれなりの比重を占めますから、まずブスであることを客観的に認識しないと正しい戦略が立てられないと思うんです。私は見た目で勝負できないから、コミュニケーション能力を磨こうと考えましたし、「若さ」を大事にしなければいけないと思いましたし、見た目以外の武器を身につけようと努力しました。
■40代の美人は、やっぱり40代なりの美人です
──「ブスだから」、と身につけた武器が、結婚と並んでもう一つの目標であった「経済的自立」を後押しすることになりました。
田村:いまとなっては、肩書きをつけておいて本当によかったと思っています。当時は、ブスは就職活動をしてもそれほど上手くいかないだろう、という消極的な理由から資格試験を選んだわけですが、それによって独立もでき、いま、仕事の幅も広がっています。
また、年をとって思うのは、ブスの僻みと捉えられて構わないのですが、見た目って、だんだんどうでもよくなってきます(笑)。いま、40代でも綺麗な人は増えていますが、私に言われたくないでしょうけれど、40代の美人は、やっぱり40代なりの美人です。芸能人のように美をお金に換えられる「突き抜けた美人」は別ですが、それ以外の人は、こういう時代ですから、経済的自立を早いうちから考えておくのは大事だと思いますね。
──とはいえ、自分を客観視するのは、容易ではありません。人のことはよくわかっても、自分のことはなかなかわからない。
田村:大学など学校には偏差値がありますが、見た目とか、あるいは中身とか、人間性の評価って誰も数値化してくれませんからね。だからこそ、自分が一番シビアに見てあげないといけないと思います。私は幸いにも、小学生のときにブスと気づかされたので、長年、コツコツやってきました(笑)。
今から思うと、努力しても報われないことがあることを、早くに悟ったんでしょうね。だからこそ、その裏返しとして、じゃあ、自分の力で得られるものって何だろう、という発想に立てたのかなと思います。