ライフ

相続税の8割は「過払い」、還付金数千万円になることも

実は「払いすぎ」が続出している

 相続に関する仕組みが激変し、制度への関心が高まっている。多くの人ができるだけ節税したいと考えているはずだが、税理士法人アレース代表の保手浜洋介氏によれば、現実には「相続税の8割は過払いです」という。

「過払いの原因のほとんどは、不動産の過大評価です。不動産評価に詳しくない税理士が歪な形状や、線路や墓の近くといった立地の不備を見落とし、土地の価格を本来より高く見積もることで、相続税の金額がアップします。そのほか、固定資産税や住民税の未払いなど、マイナス分を未計上にして相続税を払いすぎるケースも目立ちます」

 過払いの不安がある場合、専門家に相談すべきだ。

「相続の申告書類をチェックして土地の評価額に疑問があれば、資産税を専門に扱う税理士法人などに相談してほしい。そのうえで税金の還付を求めるなら『相続税の更正の請求』を行ないます」(保手浜氏)

 還付請求の期限は、相続税の申告期限(10か月)から5年以内。直近5年間に相続税を払い過ぎた人は返ってくる可能性がある。

「土地の評価額は金額が莫大になるケースが多く、相続税の更正を請求すれば、還付金が数百万から数千万円に達することもあります。税理士は税金のプロですが、財産評価でミスをしないとは限らない。“相続税は、払い過ぎることが多い”と肝に銘じて相続に臨んでほしいですね」(保手浜氏)

 揉めない、こじれない、損しない──そんな相続にするためには、家族で協力して準備を重ねることが、何より肝要である。

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
『あんぱん』“豪ちゃん”役の細田佳央太(写真提供/NHK)
『あんぱん』“豪ちゃん”役・細田佳央太が明かす河合優実への絶対的な信頼 「蘭子さんには前を向いて自分の幸せを第一にしてほしい。豪もきっとそう思ったはず」
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/五十嵐美弥)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン