──僕も童貞時代は深夜のファミレスでそういった“不毛な議論”をしていました。濱崎さんがプロデュースする番組には部室で話す不毛なトークに似た魅力があります。

濱崎:部室トークって変わり映えしない日常がネタじゃないですか。現状維持している“その時”が楽しいんです。そして、停滞した状態が変わっていく瞬間にもグッとくる。

 僕の曽祖父も、祖父も、父親も教師でした。ゆえに、幼い頃は自分も将来は教師になるものだと漠然と考えていました。だからなのか、つい先生的な目線で出演者を見てしまう。まだ何者でもない人を応援したい気持ちが強いんです。番組を通して出演者が「なりたい自分」へと成長していくのが制作者として一番の喜びなんですよね。

 * * *
 インタビューを終えて、最初に持った感想は「濱崎さんって優しい……」だった。番組と出演者に対して暖かな視線を持ち、自分の制作物への愛情が深い。そして、なによりも出演者の成長に喜びを見出す人であった。

 また『ブステレビ』『DTテレビ』共に、濱崎さんの思考が想像以上に反映されていたことにも驚く。たとえば「濱崎さんの心の中の童貞が拒否した」なんてことを理由に番組企画が少し変わったこともあるという。そんなエピソードを聞き、濱崎さん自身の人生観が番組内で密かに綴られていたことを知る。今後も優しく私的な番組を僕は愛でていこうと思った。

●はまさき けんいち/株式会社AbemaTVプロデューサー。2003年、テレビ朝日入社。『いきなり!黄金伝説。』『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』など様々な人気バラエティ番組を担当。2016年よりAbemaTVの制作部門へ異動、『恋する週末ホームステイ』『Popteenカバーガール戦争』『さよならプロポーズ』『おぎやはぎの「ブス」テレビ』、『指原莉乃&ブラマヨの恋するサイテー男総選挙』『DTテレビ』など数々のオリジナル番組を企画し、プロデューサーを務める。

●ヨシムラヒロム/1986年生まれ、東京出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使。五反田のコワーキングスペースpaoで週一回開かれるイベント「微学校」の校長としても活動中。テレビっ子として育ち、ネットテレビっ子に成長に成長した。著書に『美大生図鑑』(飛鳥新社)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト