──僕は『DTテレビ』をキッカケに司会の徳井さん、朝日さんのファンになりました。2人はどのように選ばれたのですか?
濱崎:『DTテレビ』の司会者は、童貞の先生みたいなポジションとなります。当たり前ですが、モテない人には出来ない役割です。かといって、ただのチャラ男や女好きは嫌でした。すごくモテるけど、心に童貞を飼っていて、なおかつ男からも憧れられるセクシーさを持つ人が良かったんですね。結果「チュートリアルの徳井さんにお任せしたい」となりました。徳井さんって、明るい変態キャラなんですけど少し影があるんですよね。
『DTテレビ』は必然と男所帯となります、出演者が男ばかりだと油断するじゃないですか。女子の学級委員長的なキャラが欲しいと思ったんです。そこで浮かんだのが朝日さんでした。足を露出したショートパンツを履きこなす美人さんなんですが、良い意味でエロさがない。アイドリング!!!の元メンバーだけあって、ガンガンツッコミもできるし適任者でしたね。朝日さんは現在25歳なんですが、以前やった特番で一緒に仕事をしてみて「こんな仕事できる若い人がいるんだ……」と感心したこともあってお願いしました。
──番組がスタートする頃には、ネタ不足は解消されていたのでしょうか?
濱崎:いいえ(笑)。みうらじゅんさんと伊集院光さんの共著『D.T』(2002年初版)も読みました。“DT”の語源となった名著から、“童貞=青春”という「番組の骨」に行きつきました。そして、DTとして笑っていられるのはエネルギーがみなぎっている20代が限界だと気づかされましたね。しかし、ネタ不足の不安は拭えなかった。
実は徳井さんに出演オファーしたとき徳井さんからも「企画は面白いけど、10回くらいが限界かもね」と言われました。
──最も気になる点なのですが、ひな壇に座る童貞のみなさんはどのように集めていったのですか?
濱崎:タレント事務所、エキストラ事務所、そしてサイバーエージェントの社員にも声をかけていきました。童貞を集めていく過程は文化祭で模擬店を一緒にやる仲間が増えていく感覚に似ていて楽しかったですよ。
現在も番組では童貞を募集しているのですが、かなりの人数がオーディションに来るんですよ。参加者の中には、経験済みなのに童貞を詐称する不届き者もいますが、我々もだんだんと本物と偽物を見抜けるようになってきました、不思議と(笑)。
──実際に『DTテレビ』がスタートした際、濱崎さんはどのような感想を抱きましたか?
濱崎:正直、童貞の話はつまらないと感じていました。素朴な人柄の子が多いので、基本的に話し下手なんですよ。例えば、朝日さんだったら30秒で話せることを童貞は3分かけて語る。しかも、要点があまりまとまってない。話が長いので必然と収録時間も長くなります。『ブステレビ』の場合、50分の放送時間を60分ほどで撮影していますが、『DTテレビ』の場合は50分の放送時間を90分かけて撮っています。
──プロの芸人がひしめき合う民放のバラエティ番組とは違いますよね。海の物とも山の物ともつかない『DTテレビ』の騒めき、僕は好きですけどね。
濱崎:すでに民放のバラエティ番組などに出演されている芸人さんたちは、勝ち抜いた人達です。ツッコミとボケで番組を組み立てられます。スポーツに例えると、プロの試合ができる人達なんです。アベレージが高く、ミスすることがない。
一方の『DTテレビ』は、草野球なんですね。三振も多いけど、時々プロでもできないプレーが飛び出すこともある。そんなスーパープレーが出ることを期待しているんですよ。