ライフ

自律神経が整い代謝も良くなる…横隔膜刺激の多数の効果

息を吸うと、肋骨の裏表にある肋間筋が伸縮し、肺が横に広がる(写真/アフロ)

 運動の秋──。スポーツを楽しむのに最適な時期になりました。でも最近、「運動をしても汗をかきにくい」なんてことはないだろうか? これは肺がしっかり膨らまず、充分な酸素を体内に取り込めていないせい。酸欠でエネルギー源となる栄養素を燃やせないと汗は出ないんです! そこで、たくさんの酸素が吸える“肺の鍛え方”をビューティースペシャリストの夜久ルミ子さんに教えてもらった。1回1分やるだけで“燃える人間”になれるかも。

◆横隔膜を使役すると肺が膨らむように

「きちんと食べて運動もしているのに汗が出ず、やせにくいという人は、酸素が足りていない可能性があります」と、夜久さんは言う(「」内、以下同)。

 3大熱量素と呼ばれる、たんぱく質(アミノ酸)、炭水化物(ブドウ糖)、脂肪は、酸素によって燃やされ、エネルギーとなって二酸化炭素と水に分解される。この水が主に汗となる。汗が出にくいというのは、体内に酸素が足りず、エネルギーをきちんと燃やせていない証拠だという。

「体内にたくさんの酸素を取り込むには、肺を大きく膨らまさなくてはなりません。しかし、肺はただの“袋”。自力で動かない器官なので鍛えられません。肺は、肋骨の表と裏にある内肋間筋、外肋間筋、そして肋骨の下部に張りついている横隔膜という主に3つの筋肉で呼吸運動をしています。横隔膜と2つの肋間筋は連動しているため、横隔膜が伸縮すれば、自然と肋間筋も動いて鍛えられ、肺を大きく膨らませられるようになります」

 息を吸うと、肋骨の表裏にある肋間筋が伸縮し、肺が横に広がる。同時に横隔膜が縮んで下がるため、肺は広がり、酸素を取り込みやすくなる。一方、息を吐く(二酸化炭素を排出する)時は横隔膜が伸びて肺が押し上げられる。

 つまり、横隔膜を伸縮しやすくすると、体内に酸素を取り入れやすくなるというわけだ。しかし、悪い姿勢を続けるなどして血流が滞ると横隔膜も硬くなり、伸縮しにくくなる。横隔膜はこまめに刺激し、ゆるめる必要がある。

「横隔膜をゆるめるには、肋骨の裏側を触るイメージで、肋骨のへりに沿って指を差し込みます。血流が悪いと、指が入りにくいかもしれません。それこそ、横隔膜も伸縮しにくい状態。毎日続ければ、ほぐれて指が入りやすくなりますよ」

 豊富な酸素で体内が満たされれば、脂肪などが燃えやすくなって代謝と血流がよくなり、やせやすい体になるほか、肌がきれいになり、肩こりや腰痛も改善するという。

◆肺が膨らむと自律神経も整う

 さらに、肺を大きく膨らませることは、自律神経の調整にもつながる。

「緊張したりストレスを感じた時、深呼吸をするとリラックスしませんか? これは肺を大きく膨らませることによって副交感神経が優位に働くため。副交感神経には体の緊張をゆるめる機能があります。深く呼吸をすれば、リラックス効果が高まり、不眠の解消にもつながります」

 息をきちんと吸う──。これだけでさまざまな不調に対応できるのだ。

※女性セブン2019年10月10日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン