スポーツ

スプリンターズS 3歳牝馬ディアンドルは伸びしろ十分

ディアンドルの鞍上は藤岡佑介騎手の予定

 いよいよ秋のGIシリーズが開幕する。幸先よくスタートダッシュを決めたいものだ。競馬歴40年のライター・東田和美氏がスプリンターズSの狙い目について考察する。

 * * *
 スプリンターズSが4回中山最終日に行われるようになったのは2000年から。3歳馬の出走は19年間で26頭しかおらず、成績は〈1 1 2 22〉、勝ったのは2007年のアストンマーチャンだけだ。1400mまでの重賞3勝で迎えた桜花賞で2番人気7着に敗れた後、スプリント路線に切り替え、夏の北九州記念(6着)を経ての参戦だった。

 昨年11番人気で2着に入ったのがラブカンプー。フィーリーズレビュー、アーリントンCに敗れた後スプリント路線に向かい、葵Sの2着で手ごたえをつかみ、アイビスSD2着、北九州記念3着、セントウルS2着と好戦してのぞんだ(なぜこんなに人気がなかったのだろう)。

 2016年の3着馬ソルヴェイグも牝馬。桜花賞17着の後、スプリント路線に向かい、函館SS(1着)キーンランドC4着から挑戦。いずれもクラシック戦線に乗りかけながら跳ね返され、距離を短縮して臨んでいる。

 今年の3歳馬もノーワンは桜花賞で11着、NHKマイルCでも長かったかというのがイベリス、ハッピーアワー、ファンタジストの3頭。いずれも距離を短縮しての挑戦となる。

 そんな中、ディアンドルはデビュー2戦目の未勝利戦から重賞の葵Sまで1200m戦を5連勝。古馬との初対決となった前走北九州記念でも2着。2歳時に3勝しながら、クラシック路線には目もくれず、スプリント路線を突っ走ってきた。

 ルーラーシップ産駒といえば、キセキやリオンリオン、オークス2着のリリーノーブルなど、自身がそうだったように中長距離で活躍するイメージがある(ただしセイウンコウセイやファインニードル、ハクサンムーンの父はJCと宝塚記念のアドマイヤムーンだ)。3世代目の今年の3歳が秋GⅠのトライアルでも結果を出し、サイヤーランキングでも5位につけている。なにしろ母はエアグルーヴ。ガーサント、ノーザンテースト、トニービンと、社台Gの歴史を辿るような血を受け継いでおり、サンデー系牝馬との配合で生まれる産駒は、キングカメハメハのように多彩な産駒を送り出すのだろう。

 ディアンドルは2歳春に入厩したものの、左前の骨瘤の状態を気にしていたため、短い距離での使い出しになったが、いまではまったく気にならなくなった。GⅠ初挑戦なのがどうかと言われているが、そもそも3歳馬が初めて出られる1200mのGⅠがこのレース。持ちタイムがないことが懸念されているが、追い切りでは「目一杯追えばどれだけ動いていたのかと考えると本当に怖いぐらい」(シルク・ホースクラブHP)とのことで、伸びしろは十分。牝馬らしからぬ馬格、53キロも魅力だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン