御代がわり後、両陛下がお召しに列車に乗られるのは初(撮影/JMPA)

 たしかに雅子さまのご快復は目覚ましい。着席されてのお手振りには、こんな理由があったようだ。

「美智子さまは、お立ちになられたままお手振りをされたことで、乗車中はほとんど休む時間がなかったそうです。側近が着席を勧めても、“見送りに来た人のために”と大変なご苦労をされました。

 しかし、雅子さまのご病状を鑑みれば、今回の茨城訪問ではそのような無理があってはならないと周囲は懸念したそうです。進言もあったのでしょう、雅子さまはご自身の体力も理解された上で、美智子さまとは違うスタイルであっても、ご自分にできる最善の方法を選ばれたのではないでしょうか」(宮内庁関係者)

 両陛下は駅に着かれてすぐに国体の式典へと向かわれた。そんなタイトな日程をこなすことができたのも、お召し列車での「調整」のおかげだったのだろう。

 10月22日から31日までの10日間、いよいよ陛下が即位を国内外に宣言する、皇室最高の重要儀礼「即位の礼」が挙行される。それに先立ち、9月18日、政府の皇位継承に関する式典委員会が開かれ、儀式の細目が了承された。

「190以上の国や国際機関の代表が来日し、祝賀御列の儀(パレード)の沿道には大勢の国民が詰めかけます。1993年の両陛下のご成婚パレードの19万人を超える人出が見込まれています。

 雅子さまのご負担も大変なものです。22日は午前中から儀式に臨まれ、パレード、そして饗宴の儀(祝宴)と続きます。朝5時には起床され、23時頃までは分刻みというハードスケジュールです」(前出・宮内庁関係者)

 歴史を振り返れば、皇后が即位の礼に臨席されなかったこともある。しかし、今の時代は“ご夫妻揃われてのお姿を見たい”と願う国民が多いことも事実だ。

 雅子さまには必ずすべての儀式にご参加いただきたい──。そう願う側近や関係者の思いもあったのだろう、平成に行われた即位の礼と比べると、“簡略化”が図られている。

 たとえば、22日、皇居・宮殿の「正殿松の間」で行われる「即位礼正殿の儀」だ。広く即位の宣言をされる際、陛下は天皇の玉座である「高御座(たかみくら)」に、雅子さまは皇后の玉座である「御帳台(みちょうだい)」に、それぞれ立たれる。そこに至るまでの経路が変更されたのだ。

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