街並みや環境には人それぞれの好みがある。郊外の自然豊かなエリアでの大規模開発を好む方もいれば、多少殺伐としていても埋立地の湾岸に住みたがる人もいる。
街並みや環境を選択の優先基準とされる場合は、どうぞそうなさっていただきたい。ただし、これからの時代は都心から離れれば離れるほど資産価値を維持しにくくなる。あるいは湾岸埋立地のように、世の中の空気が変われば敬遠される可能性の高い場所もある。
そこで、普通の所得者が購入できる範囲で、資産価値が落ちにくい物件を探すにはどうすればいいのか?
私の基準は、まずJR主要路線の沿線で早くから市街地を形成していたエリアである。そういうところは街として成熟しつつも、日々新陳代謝が行われている。交通利便性が高ければ、街として衰弱する可能性も低い。
そのような街の中から、今回は「赤羽」をお勧めしてみたい。その理由は、便利なのに価格がそれほど高くない。つまりコストパフォーマンスに優れているのだ。
まずJR「赤羽」駅には山手線の西側を走る埼京線と、東側の京浜東北線がともに乗り入れている。山手線のどちら側の沿線にアクセスするにも便利だ。次に、駅前の商業エリアが充実している。日常の買い物はもちろん、食事などでも幅広い選択肢がある。街としての華やかさもそれなりだ。
ただし街としてのステイタス感はイマイチで、「庶民の街」というイメージは濃厚だ。しかし、肩肘張らずに住むなら、かなり暮らしやすい環境を提供してくれている。
しかも、住宅の価格がリーズナブルだ。東急リバブルが提供している「駅別相場価格データ」(アットホーム調べ)によると、赤羽エリアの新築マンションの相場観は3100万円(※すべての間取りを対象に算出した相場価格)となっている。