リハーサルで最初に弾いたのはホルスト作曲の『ジュピター』。会場内の響き具合を確認しながら、音響スタッフとマニアックなピアノ談義に花を咲かせる

 意外にも昆虫好きという貴公子。

「子供の頃は自分で捕ったバッタやクワガタやドジョウなどを飼っていて、大人になったら日本に生息するクワガタを全種類集めるのが夢でした」

 ほかにも芸術鑑賞や読書、宇宙など愛してやまないものを明かしてくれた。

「ピアノの練習の気分転換に、朝食のサラダ作りに始まり、料理をするのも好きです。今トライしたいのはカレー。通なスパイスを揃えて本格的なインドカレーを作りたい。クッキング系の動画を見るのが好きで、寝る前に見るとついつい夜更かしをしてしまうのが悩みです(笑い)」

 愛するものは数あれ、行き着くのはピアノへの深い愛。

「素晴らしい芸術や文章に触れた時や、恋愛でほろ苦い経験をした時も、ぼくはピアノを弾きたくなるんです。そうした人生の喜怒哀楽の結晶が共感を生み、人を癒せる音楽につながると思う。表現者として感情豊かに、心に響く美しいメロディーを届けたいです」

 格の高いイメージがあるクラシックも、彼の魔法にかかれば誰もが幸せになる音楽に生まれ変わる。

【プロフィール】
◆大井健/おおい・たけし。1983年8月14日生まれ。東京都出身。A型。3才からピアノ教師の母の影響で音楽に触れ、幼少の頃からドイツやイギリスに渡り数々のコンクールで優勝。2015年にデビューし、作曲家とピアニストによるデュオ『鍵盤男子』としても活動している。12月24日には東京・渋谷でソロコンサート『Happy X’mas with You』の開催が決定。

撮影/平野哲郎

※女性セブン2019年10月17日号

リハーサルを終えて、本番前のリラックスしたひととき

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