スポーツ

「社台グループの運動会」秋華賞 意外な主役が現れるとしたら

大穴を狙うのも一興

 かつては大荒れのイメージが強かったレース、今年は前日が台風で大荒れの天気となるが、さてどうか。競馬歴40年のライター・東田和美氏が秋華賞の狙い目について考察する。

 * * *
 桜花賞馬もオークス馬も出走しない秋華賞が行なわれた2002年はサンデーサイレンスが死亡した年。秋華賞でのサンデー産駒は、それまでローズバドが連対しただけだったが、翌2003年はスティルインラブとアドマイヤグルーヴのワンツー。その後も2005年にエアメサイアが勝ち、さらに2007年アグネスタキオン産駒のダイワスカーレットからは、サンデー系の産駒が7勝も挙げている。2011年アヴェンチュラの母父もサンデー、17年ディアドラの母父はスペシャルウィークだ。2着馬にいたっては2006年のアサヒライジングからすべてサンデーっ子の産駒だ。なかでもディープインパクトは4勝2着3回3着1回と抜けている。

 ということは、やはり社台グループ。ダイワスカーレットが勝った2007年からの12年間で、社台グループ牧場の生産馬が11勝と独占状態。うちノーザンファーム生産馬が8勝、2着馬が8頭、3着馬も7頭が社台グループ牧場の生産馬。今年の顔触れもノーザンファーム生産馬が9頭、社台ファーム生産馬が5頭の計14頭。古くからのファンは「社台の運動会」などと言ったりするが、だからといってなれ合いになったりするはずもない。見応えのある高いレベルのレースが期待できる。

 普通に考えれば、クラシック2戦で掲示板に載り、前哨戦のローズSを圧勝するなど重賞3勝のダノンファンタジーを筆頭に、オークス2着のカレンブーケドール、藤沢和厩舎のシェーングランツとコントラチェック、底を見せていない3戦3勝のサトノダムゼルといったディープ産駒が中心。

 ノーザンファーム生産馬は、他にエスポワール、クロノジェネシス、ビーチサンバ、パッシングスルー、シャドウディーヴァ、フェアリーポルカ、ブランノワールと、どれが勝ってもおかしくない。ダノン、サトノの他、金子真人HD、サンデーR、社台RH、キャロット、シルクとおなじみの勝負服が勢ぞろいだ、

 なので、ここではあえて「社台グループ以外の馬」について触れてみたい。どれもサンデーっ子の産駒ではあるが、なかなかの「個性派」ぞろいだ。

 まず上位人気に支持されそうなのがシゲルピンクダイヤ。1勝馬ながら桜花賞2着、ローズSでも差のない4着と存在感を見せた。生まれ年によってテーマが決まっている馬名でファンも多い「シゲル」。2016年生まれは「宝石」で、現在中央競馬には「ジルコン」「ネコメイシ」など11頭の登録がある。地方でも佐賀を中心に頑張っており、10月6日には「トラメイシ」と「ブルーダイヤ」が勝っている。

 森中蕃オーナーは1970年代から多数の馬を所有、法人名義の所有馬を合わせれば所有馬は1000頭(以上?)にもなると思われるが、これまで中央の平地重賞で勝ったのはアラブのセイユウ記念を3連覇したシゲルホームランだけだという。

 ブラックタイド産駒トゥーフラッシーは未勝利を脱出したのがなんと15戦目。過去23頭の秋華賞馬のうち13頭はデビュー勝ち。初勝利まで最も時間がかかったのはブゼンキャンドルとティコティコタックだが、たかが5戦目。しかし昇級戦の1勝クラスはブゼンキャンドル同様あっさりとクリアしている。

関連記事

トピックス

東日本大震災発生時、ブルーインパルスは松島基地を離れていた(時事通信フォト)
《津波警報で避難は?》3.11で難を逃れた「ブルーインパルス」現在の居場所は…本日の飛行訓練はキャンセル
NEWSポストセブン
別府港が津波に見舞われる中、尾畠さんは待機中だ
「要請あれば、すぐ行く」別府湾で清掃活動を続ける“スーパーボランティア”尾畠春夫さん(85)に直撃 《日本列島に津波警報が発令》
NEWSポストセブン
宮城県気仙沼市では注意報が警報に変わり、津波予想も1メートルから3メートルに
「街中にサイレンが鳴り響き…」宮城・気仙沼市に旅行中の男性が語る“緊迫の朝” 「一時はネットもつながらず焦った」《日本全国で津波警報》
NEWSポストセブン
津波警報が発令され、ハワイでは大渋滞が発生(AFP=時事)
ハワイに“破壊的な津波のおそれ” スーパーからは水も食料品も消え…「クラクションが鳴り止まない。カオスです」旅行者が明かす現地の混乱ぶり《カムチャツカ半島地震の影響》
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月16日、撮影/横田紋子)
《モンゴルご訪問で魅了》皇后雅子さま、「民族衣装風のジャケット」や「”桜色”のセットアップ」など装いに見る“細やかなお気遣い”
夜の街での男女トラブルは社会問題でもある(写真はイメージ/Getty)
「整形費用返済のために…」現役アイドルがメンズエステ店で働くことになったきっかけ、“ストーカー化した”客から逃れるために契約した「格安スマホ」
NEWSポストセブン
牛田茉友氏はNHKの元アナウンサーだったこともあり、街頭演説を追っかける熱烈なファンもいた(写真撮影:小川裕夫)
参院選に見るタレント候補の選挙戦の変化 ラサール石井氏は亀有駅近くで街頭演説を行うも『こち亀』の話題を封印したワケ
NEWSポストセブン
大谷家の別荘が問題に直面している(写真/AFLO)
大谷翔平も購入したハワイ豪華リゾートビジネスが問題に直面 14区画中8区画が売れ残り、建設予定地はまるで荒野のような状態 トランプ大統領の影響も
女性セブン
技能実習生のダム・ズイ・カン容疑者と亡くなった椋本舞子さん(共同通信/景徳鎮陶瓷大学ホームページより)
《佐賀・強盗殺人》ベトナム人の男が「オカネ出せ。財布ミセロ」自宅に押し入りナイフで切りつけ…日本語講師・椋本舞子さんを襲った“強い殺意” 生前は「英語も中国語も堪能」「海外の友達がいっぱい」
NEWSポストセブン
大日向開拓地のキャベツ畑を訪問された上皇ご夫妻(2024年8月、長野県軽井沢町)
美智子さま、葛藤の戦後80年の夏 上皇さまの体調不安で軽井沢でのご静養は微妙な状況に 大戦の記憶を刻んだ土地への祈りの旅も叶わぬ可能性も
女性セブン
休場が続く横綱・豊昇龍
「3場所で金星8個配給…」それでも横綱・豊昇龍に相撲協会が引退勧告できない複雑な事情 やくみつる氏は「“大豊時代”は、ちょっとイメージしづらい」
週刊ポスト
NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン