国際情報

日本はポピュリズムに陥らず世界に連携呼びかける先達になれ

自国第一主義にどう立ち向かう?(写真/AFP=時事)

 ツイッターのつぶやきで株価が乱高下し、爆弾を抱えたドローンが世界を攪乱する──。米トランプ政権を筆頭に「自国第一主義」が広がる中で、ますます世界の「不確実性」が増し、国際協調体制は崩壊しつつある。新刊『「国家の衰退」からいかに脱するか』も話題の経営コンサルタント・大前研一氏が最新の国際情勢を総括する。

 * * *
 いま世界で何が起きているのか? 「自国第一主義」と「ポピュリズム(大衆迎合主義)」の台頭による衆愚政治の拡大だ。

「アメリカ・ファースト」を掲げるドナルド・トランプ米大統領の制裁関税や移民規制、ボリス・ジョンソン英首相の「ブレグジット(EU離脱)」強行、韓国の文在寅大統領の反日政策、中国の習近平国家主席の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」、「ブラジルのトランプ」と呼ばれるジャイル・ボルソナロ大統領のアマゾン森林火災放置、そして安倍晋三首相の教育無償化や消費税の軽減税率……などである。

 もともと第二次世界大戦後の世界は、「二度と愚かな戦争はしない」という固い決意の下、過度なナショナリズムにつながる自国第一主義を避けて連携や協調を模索してきた。その動きの中で、国際連合をはじめ、EU、ASEAN(東南アジア諸国連合)、NAFTA(北米自由貿易協定)、AU(アフリカ連合)などが誕生したという歴史がある。

 だが、いま起きている動きは逆だ。自国第一主義とポピュリズムの台頭によって世界は一つではなく、国民国家、さらには民族単位でバラバラになりつつある。

 なぜか? その一因はネット社会になり、スマートフォンで個人個人がフェイスブックやツイッターなどのSNSでダイレクトにコミュニケーションをとって意見を主張し、仲間を見つけることができるようになったことにあると思う。

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン