スポーツ

ラグビー日本代表 最後までOne Teamを貫いた影の立役者は?

「One Team」を掲げてベスト8まで勝ち上がったラグビー日本代表(撮影/藤岡雅樹)

「One Team」を掲げてベスト8まで勝ち上がったラグビー日本代表(撮影/藤岡雅樹)

 ラグビーワールドカップ日本代表。ベスト8と敗れたものの、その戦いは日本中を感動の渦に巻き込んだ。まさに「One Team」。その日本代表をOne Teamにした影の立役者について、長年、大学ラグビーを取材し続けてきたスポーツライターの木村俊太氏が、裏話を交えながらレポートする。

 * * *
 大会前はあまり盛り上がっていないのではとさえ思えたラグビーワールドカップ。ふたを開けてみれば、日本代表の快進撃もあり、大いなる盛り上がりを見せた。

 史上初のベスト8進出。その偉業はまさに日本中を巻き込む社会現象と言えた。日本代表は「One Team」となり、そして日本全土が「One Team」となった。筆者がその陰の立役者として挙げたいのが、センター(CTB)として全試合先発出場した中村亮土選手(28)である。

南アフリカ戦でパスを出す中村亮土(時事通信フォト)

南アフリカ戦でパスを出す中村亮土(時事通信フォト)

 筆者が考える中村のすごかったところは3つ。
(1)格上の相手に対しても、自らのフィジカルの強さを信じて、自信を持って当たっていくことで、チームを鼓舞する力
(2)日本代表が掲げる「One Team」をゲーム中に実践する力
(3)当たり前のことを当たり前にやった上で、状況に応じて、臨機応変に対応していく力

 ここまでの日本代表の試合を振り返りつつ、上記の3つについて、具体的な場面を確認しながら、見ていきたい。

 まずは(1)。これは、もはや言うまでもないかもしれない。彼の好タックルは枚挙にいとまがないが、例えばアイルランド戦の前半34分、相手を向こう側に倒す強烈なタックルを見舞い、ピンチを救った。後半2分には、ラインアウトを奪われ、ピンチになりかけたところでの好タックル。後半12分には、ハイパントを追いかけ、相手にプレッシャーをかけたことで、相手のノックオンを誘った。後半27分、ハイパントのボールが相手のキープレーヤーの一人ロブ・カーニーに渡るが、ハイパントを競っていた中村が追いかけてタックル。大きなピンチの芽を摘んだ。

 格上と思える相手でもひるまず前に出るプレーを見せたのは、もちろん中村だけではない。だが、「ここで止めてほしい」という場面で、ことごとく好タックルを決めている点は、やはり特筆すべきものだと思う。

 大きな舞台でその力を発揮できるのは、中村のこれまでの経験と実績、その過程での深い思考のおかげだと考えるが、それについて思い至る出来事が、2つ思い浮かんだので紹介したい。

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン