ライフ

ペットの自傷行為原因はストレス以外も、“常同障害”の実態

「ウールサッキング」は、特に子猫の頃に母猫から離された猫や、アジア系品種の猫はなりやすいといわれている(Ph:Getty Images)

 過剰に鳴いたり、何度注意しても食べてはいけないものを食べてしまうといった、愛猫の困った行動。それは、しつけの問題ではなく、心理状態や健康上の問題が関係しているかもしれません。問題行動を引き起こす、猫の“常同障害”に迫ります。

 愛猫が、同じ行動を何度も繰り返したり、自傷行為を行う場合、“常同障害”という病気の可能性があるという。

「常同障害とは主に、不安やストレスが多い環境下で表れる行動の総称で、“心の病気”ともいわれています」とは、獣医行動診療科認定医の藤井仁美さんだ。

 常同障害の猫に見られる主な行動は、次の通りだ。

●赤く腫れるほど皮膚をなめたり、かんだりするなどの自傷行為を繰り返す
●毛が抜けるほどの過剰なグルーミングを行う
●自分のしっぽを追いかけてグルグル回り続けたり、しっぽをかみちぎろうとする
●繊維類やプラスチック類など、食べてはいけないものを食べるのをやめられない
●背中がピクピクと痙攣する
●何度も過剰に鳴く

「常同障害は、ストレスだけでなく身体的な病気が影響している場合もあります。そのため、これらの行動が目につくようなら、まずは獣医師に相談し、検査を受ける必要があります」(藤井さん・以下同)

 常同障害による行動が、赤く腫れるほど体をなめてしまう場合は、皮膚の病気が原因の可能性がある。そのため、洗剤や芳香剤などの化学物質による刺激を受けていないか、感染症やアレルギーを患っていないかなどを調べたり、脳や神経に異常がないか検査を行う必要があるという。

 検査で問題が判明したら、治療などでそれらの要因を取り除けばいい。一方、ストレスが原因の場合は、行動診療によってストレスの原因を探り、生活環境を整える。

「行動診療とは、飼い主とカウンセリングを重ね、なぜ愛猫がそんな行動をするのか、原因を究明して、飼育環境や接し方などのアドバイスを行う治療法です」

 ストレスの主な原因としては、飼い主とのコミュニケーション不足による不満や葛藤、引っ越し、新入りの猫が来たなどの環境の変化による不安、ずっとケージに入れられていることによる運動不足などがある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
訃報が報じられた日テレの菅谷大介アナウンサー
「同僚の体調を気にしてシフトを組んでいた…」日テレ・菅谷大介アナが急死、直近で会話した局関係者が語る仲間への優しい”気遣い”
NEWSポストセブン
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン