国内

首里城火災で家宝400点焼失… 琉球王家末裔「尚家」の力

尚家23代目投手の尚衞氏(時事通信フォト)

 火災で甚大な被害に遭った首里城(沖縄県那覇市)には、琉球王朝時代の美術工芸品や絵画など1500点以上の展示物が所蔵されており、今回の火災で琉球王族「尚(しょう)家」に関連する資料400点以上が焼失した可能性が指摘されている。

「尚家とは琉球王国の王家・尚氏の末裔で、国宝を含む貴重な文化財を、首里城を管理する『沖縄美ら島財団』に多数寄贈してきました。焼失した可能性の高い文物の中には、『雪中花鳥図』など、17世紀の琉球王国の文化を伝える尚家伝来のものが複数あったようです」(地元紙記者)

 この火災を受けて23代当主の尚衞(まもる)氏は、

「沖縄県民にとって精神の象徴ともいうべき首里城がこのような火災となり、深く心を痛めている。復興が早くかなうように全霊を込めて努力したい」

 とする声明を発表した。彼は現在、琉球歴史文化継承振興会の代表理事を務めている。

「建物は再建できたとしても、焼失した所蔵物までは復元できません。尚家は沖縄県内に複数の分家が存在しますが、みなさん一様に心を痛めていると聞きます」(同前)

 ちなみに、琉球王家の末裔の中には有名人もいる。NHKの朝ドラ『なつぞら』などに出演した女優の比嘉愛未が映画の舞台挨拶で、「最近、沖縄に帰った時、ひいおばちゃんから『うちは沖縄の琉球王朝の末裔なんだよ』と言われて仰天した」と告白し、話題になった。

 王家の末裔たちは、日本に脈々と根付く琉球王国の歴史と伝統を守り続けながら、その象徴たる首里城の再建を願い心をひとつにしているはずだ。

火災で焼失した可能性が高い雪中花鳥図(時事通信フォト)

※週刊ポスト2019年11月22日号

関連記事

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン