自席での簡易体操も推奨(ダイドー「リカバリー(回復)タイム」の様子
こうして矢継ぎ早に導入されるダイドーの働き方改革──。そもそも同社はなぜ、ここまで職場環境の改善に熱心なのか。
「当社グループの中期経営計画でも掲げていますが、今後、会社をさらに成長させるためには人材への投資が最も重要だと考えています。
新卒・キャリア採用の強化はもちろん、既存の社員の適材適所への配置転換などを一層進めるためには、すべての社員のポテンシャルを最大限に引き出すことが欠かせないと考えています。そのための取り組みが『カフェインナップ』や『カジュアルワーク』などです。
仕事と私生活双方の充実が相乗効果を生む“ライフ・ワーク・シナジー”を実現し、今後も社員に、より仕事へのやりがいや自社への愛着を感じてもらえる状況をつくっていきたいと思っています」(同前)
働き方改革で、かえって従業員の労働生産性が落ち、会社全体の利益が損なわれれば元も子もない。ダイドーでは前出の施策を次々と導入した結果、月平均42時間だった社員の残業時間が29時間にまで減ったという。それだけ効率的で質の高い職場環境に変化した証ともいえる。
「残業時間は今後2年以内に、さらに2割減を目指しています」と自信をのぞかせる濱中氏。ダイドーのチャレンジングな働き方改革の数々は、今後の課題も含めて他社の模範となっていくことだろう。
