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2019.12.02 16:00  週刊ポスト

降圧剤を服用した後に「肺炎」「肝炎」で突然死する例も

 一方、ARBと同様に第一選択薬として処方される「カルシウム拮抗薬」は、血管を収縮させる働きのある「カルシウムイオン」が血管に流入するのを阻害し、血圧を下げる薬だ。

 そのひとつである「アムロジピン」の服用後には、70代男性が「劇症肝炎」「薬疹」を発症して亡くなっている。

 また別のタイプの降圧剤であり、こちらも第一選択薬の「利尿剤」も、比較的安価なため国内で多く処方されている。体内の塩分と水分を排出することで血液量を減少させ、血圧を下げる薬だ。その一種の「ナトリックス」を飲んだ後に、60代男性が「中毒性表皮壊死融解症」で亡くなった例が報告されている。

「この中毒性表皮壊死融解症という疾患は全身に水ぶくれや皮膚のただれなどが生じ、悪化すると全身やけどのような状態になる。薬に対するアレルギー反応により発症するとみられていますが、詳細なメカニズムはわかっていません」(長澤氏)

 降圧剤のタイプによって様々な症例が報告されているわけだが、より注意が必要なのは複数のタイプを同時に服用している場合だ。とりわけ降圧剤は、まず1種類から飲み始め、十分に血圧が下がらなかった場合に2種類、3種類と数を増やしていくケースが多い。

「『カルシウム拮抗薬とARB』『カルシウム拮抗薬と利尿剤』など2つのタイプなら血圧を下げるうえで有効な組み合わせがわかっていますが、3剤以上では降圧効果や副作用について明らかになっていない部分が多い。薬の種類が多いぶん注意しなくてはいけない重篤な副作用は当然、増えることになる。もちろん、高血圧患者は『血圧を下げること』が最優先ですが、少しでも体に異変を感じたらすぐに医療機関を受診してほしい」(長澤氏)

※注/薬剤師・長澤育弘氏の監修のもと、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する「副作用が疑われる症例報告に関する情報」データベースに掲載された、副作用・有害事象が疑われる症例報告から、被疑薬と死亡との因果関係が否定できないものの死亡事例を抜粋。掲載した医薬品は、厚生労働省「第4回NDBオープンデータ 内服薬 外来(院外)」(2017年4月〜2018年3月)から、60歳以上男性への処方量が多い順。

※週刊ポスト2019年12月13日号

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