「生命倫理を語る際、“すべりやすい坂”という言葉があります。倫理をひとつ緩めると次々に緩まっていく。誰かが異議を唱えなきゃいけないと思います」
もし検査で「陽性」と確定された場合、どのように受け止めればいいのだろうか。
「ダウン症の子はそれぞれのご家庭でどういう生き方をしているのか、まず情報を集めるのがいいでしょう。インターネットも悪くはないですが、内容は玉石混交。だから、本を読んだり、地域の親の会などコミュニティーで話を聞いてほしいですね。周りの雑音、ネガティブな情報に惑わされずに、自分で考えて判断する、知る。障害児の日常を理解してほしい。
最初はみなさん、障害児を育てる自信がないと言う。でも育ててみて、いっしょに歩んでいけない親など見たことがありません。ともに生きるなかで人は成長するし、その過程で子どもに対する愛情を育むことができるのです」
※女性セブン2019年12月19日号