同ビル内には、カウンターバーや屋根裏部屋のような仮眠スペースなどが設けられ、さらに同社が経営するレストランやバーなどもあるため、訪問客との会食などにも利用できる。
実際にBUSO AGORAを利用している人たちからは、こんな声が聞かれた。
「最近では若い方で起業する人も増えているようです。ここには、様々な業種の方が集まるので情報収集にも役立ちます」(TK経営コンサルティング代表の髙岸浩文氏)
「求人をするにしても、オシャレで開かれたオフィスは重要になっています。ネット環境が整っていれば、どこでも仕事ができるといっても、自宅だけに閉じこもっていると煮詰まってしまうので、こうした場所があると助かります」(ITソリューションなどを手掛けるドライビングフォースの代表取締役・田村麻紀氏)
住宅地や商業地のイメージが強かった町田は、インターネットの普及とテレワークの進展によって、新たな価値を生み出しつつあるのだ。
町田に限らず、東京都心部に近い郊外でも、かつて都内に通勤していた団塊世代がすでに定年し、高齢化の波は否応なく押し寄せてきている。このまま街の衰退を止めるためには、新しい価値を付加する必要があるのだ。
「年代を越えて、町田や相模原の様々な経営者や起業家、フリーランスが集まることで、新たなビジネスが展開できますし、それは地元経済の活性化にも必ずつながるはずです」(前出・田村氏)
BUSO AGORAのようなオシャレで新しい形のインキュベーション施設は、ビジネスマンの柔軟な働き方を促進させると同時に、地域経済の活性化を担う可能性も秘めている。