「W杯終了後の11月に詳細を発表する」と清宮氏は公言していたが、皮肉なことに、そのW杯の爆発的成功が、プロリーグ構想にストップをかける要因になってしまった。ラグビージャーナリストの村上晃一氏が指摘する。

「日本代表のパレードで5万人の観衆が集まるなど、開幕前には誰も想像していませんでした。ラグビー人気が爆発したことで、わざわざプロ化しなくても今のトップリーグを活かせばいいんじゃないか、という考え方が、協会やトップリーグに参加する企業の中でも出てきた。そこで、どのような形でプロ化するかがまとまらなくなってしまい、詳細の発表もできなくなってしまったのです」

「プロ化へ猛進 名将・清宮氏のラグビー道」と題した日経新聞電子版の記事(10月4日配信)では、〈清宮は11月18日に都内で記者会見し、新プロリーグ構想の進捗状況を発表する〉としていたが──。

「都内のホテルで会見場を手配したとの話もありましたが、その日には何もなかった。理事会で清宮氏をトップとする新プロリーグ設立準備委員会の設立は承認されましたが、具体的な決定事項はまだ何もありません」(協会関係者)

 会見予定日の翌19日、埼玉県内で開かれたカンファレンス「日本のラグビーを変える! 新しいプロリーグとは」に参加した清宮氏は、壇上で不満を隠さなかった。

「本来なら、私の予定では今日は(プロリーグの具体的な)構想を発表した後に、ここに座るはずだった。ちょっと(プロ化の動きが)早すぎるという意見があった。個人的にはかなり不満です。こんなスピードでやっていて2021年秋に本当にプロ化できるのかと」

◆「プロ化のメリットがない」

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