プロ化構想がなかなか進まない背景には、日本のラグビー界が置かれた特殊な事情が横たわる。
ラグビー日本代表で30キャップ、2度のW杯出場経験のある大八木淳史氏は、「清宮君が先頭に立つ意気込みは分かるが、このままでは同意が得られないだろう」として、こう語る。
「日本には、ラグビーをやりつつ社会人として頑張りたい選手も多いんです。W杯に出場した日本代表クラスや外国人選手は喜ぶかもしれませんが、トップリーグで引退後はその企業で安定したサラリーマン生活を送れる選手たちにとっては、その保障を捨ててまでプロになりたいとは思えない。
企業からも、これまでトップリーグとしてやってきたのに、プロ化に賛同しなければトップリーグがプロリーグの下部のようになってしまうのであれば、現状のままでいいという不満も出ます」
トップリーグの参加企業も、対応に揺れている。
唯一、明確な賛同を明らかにしているのがパナソニック(トップリーグ優勝3回)。ゼネラルマネージャーを務める飯島均氏は、『週刊ダイヤモンド』8月31日号の取材にこう答えている。
「清宮さんの改革案を聞いたとき、すぐに賛成の意見を述べました。(中略)地域密着のファンづくりなど、Jリーグや(バスケの)Bリーグも参考にします」