2013年に自伝『ハダカの美奈子』を原作とした映画の製作発表記者会見に出席した美奈子(右、時事通信フォト)

2013年に自伝『ハダカの美奈子』を原作とした映画の製作発表記者会見に出席した美奈子(右、時事通信フォト)

 ホームビデオ以上でも以下でもない『美奈子ファミリーTV』は家族に近づくためのプレイである。一種の諦めの境地にいる美奈子プレゼンツ「家族の団欒」の再現といえる。今はなき昭和のホームドラマにおける家族でちゃぶ台を囲むシーンのようなものである。

 視聴される理由もココにある。テレビや他のYouTuberでは受けとめきれなかった「水入らずの団欒を見たい!」という要望を持った人が集っている。自身の家庭がうまくいっていない人ほどハマる。生配信時には、視聴者からの「ハグして!(動画内でギュッ抱きしめたフリをする)」「名前を呼んで!」などのコメントがつく。こういった要望にも逐一対応し、観る人を満足させる。美奈子の大きな包容力に頼っている人がこの日本にはいるのだ。なかには配信者を金銭的に応援できる機能を使い、投げ銭をする視聴者も少なくない。

 一見、理解できない行動である。しかし、自分が渡した金銭が子供の菓子代にはなると考えれば納得もできる。動画を観ていけば、ぐらつきやすい美奈子ファミリーを応援したい気持ちが少しだけわかる。

 そして、自身の周辺事情だけでギャラを貰い続ける美奈子のスゴさにも気づく。元プロレスラーの夫との再婚、第七子誕生、翌年には第八子誕生と話題を切らすことがない。2011年に初出演した『痛快!ビッグダディ』から数えて8年目。一介の素人がテレビ、映画、書籍といった大手メディアを巻き込み「自身の生活を魅せる」ことをコンテンツとした。これはなかなか出来ない偉業である。僕は美奈子による“私生活を丸裸”は芸といえる領域まできていると思う。

 常人ならコンテンツに至る前にノイローゼになっているはず。しかし、どんな状態でも美奈子は「ハダカ」であり、めげることはない。異常なタフネス、多くの子供を産んできた生命力の高さ、この2つが美奈子の包容力の説得力へと繋がる。

 YouTubeと美奈子の“私生活の裸芸”の相性は抜群だといえる。これほど無限に私生活を垂れ流せる場所、直接収入となるメディアはYouTube以外あり得ない。12月23日に生配信された『「美奈子ファミリーTV」生ライブ!2つの重大発表SP!!』。ここで明らかになった2つの重大発表とは「長女の妊娠」と「怪我をした夫の手術」である。ちなみに、この動画は2日間で17万再生を記録。現状、美奈子が関わったものほぼ全てが多くの人に注目されるコンテンツとなっている。

 美奈子ファミリーの子供は美奈子を「お母さん」「ママ」とは言わず、ニックネームの「ミナ」と呼び慕う。家族内でも美奈子はあくまでも美奈子として存在している。美奈子のむせかえるような熱量の受け皿となっている『美奈子ファミリーTV』が今後どのように発展していくのか、一視聴者として期待している。

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