●白石和彌氏(映画監督・復帰容認派)
1980年代に「覚せい剤やめますか。それとも人間やめますか」というCMがあり、未だに“クスリをやった人は終わり”と誤解している人が多いと感じますが、薬物はアルコールやギャンブルの依存症と同じ「病気」であり、治療を受けたら社会に復帰できると知ってほしい。
もちろん、薬物使用はいけないことですが、その上で「なぜ薬物をやってしまったのか」と苦しみながら治療している人が大勢います。「芸能人だから一発アウト」とする風潮は、治療中の人に「自分も断ち切れないんじゃないか」という不安を与えてしまう。社会復帰できず、周囲の友達も離れ、再び薬物に戻ってしまう悪循環を招きかねません。そうではなく、芸能人も一般人も「元いた場所に戻れる」「人生をやり直せる」社会であるべきです。
【※本誌読者アンケート「2020年日本の重要問題について意見をお伺いします」から集計。998人が回答。100%に満たない部分は無回答】
※週刊ポスト2020年1月17・24日号