ビジネス

正月の福袋商戦に異変 「鬱袋」批判に怯える経営者たち

「福袋」はショップ側にも商機だったはずが(写真はイメージ)

「福袋」はショップ側にも商機だったはずが(写真はイメージ)

 正月の初売りで売り出される福袋といえば、早くから行列をつくって購入を楽しみにするお客さんのために、ショップ側も全力で準備し、完売を目指して販促活動を行うのが常だった。ところが、最近では福袋を中止するショップやブランドが出現している。一部のインフルエンサーがSNSで「#鬱袋」として拡散することも理由の一つだという。インフルエンサー対策に悩むアパレルショップの苦悩を、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
「今年は名指しでディスられなくてホッとしてます…」

 都内や近郊のファッションビルに入るアパレル店運営会社の取締役・須藤梨乃さん(30才・仮名)は、クリスマスセールから年末セール、年明けの初売りという怒涛の二週間を経て、やっと休暇が取れた。しかし、束の間の休息を取れたことよりも「ディスら」れなかったことの方に安堵している、というのである。どう言うことか。

「これまで毎年、うちの店の福袋がネット上で“鬱袋”と酷評されていたのです。ネットの話だろう? と、最初は社長も会社のオーナーも鼻で笑っていました、私も一緒に。ネットの怖さは翌年、翌々年と痛いほどよくわかりました……」(須藤さん)

 須藤さんの会社が運営するブランドとショップでは20年ほど前から毎年正月の初売りに合わせて「福袋」を用意しており、この10年ほどは、ネットショッピングサイトでもブランド毎の福袋を販売するようになった。筆者がかつて女性ファッション雑誌の編集者だった頃に有名だったのは、ギャルの聖地と言われる「渋谷109」の初売りである。前夜から女性客たちが行列を作り、人気ショップの福袋に殺到する。福袋を購入した客は、109周辺の路上で福袋に入っていた“不要なもの”を他の客と物々交換し始めるのだ。購入者にとっては不要でも、他の人にとっては欲しかったものであることが少なくないからだ。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン