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王貞治氏 「16球団」発言の真意はラグビー人気への警戒心か

「世界の王」の発言のインパクトが大きい

 世界のホームラン王の発言が、球界をざわつかせている。

「できるものなら16(チーム)に。あと4つチームが誕生してほしい」

 ソフトバンク球団会長の王貞治氏(79)が11日、本拠地・福岡のローカル番組に出演し、「球界16球団構想」に言及したのだ。王会長の突然の発言に、ソフトバンク番記者も首を傾げる。

「新春の番組で景気のいい話題を提供したかっただけなのか、もっと深い意味があるのか、周囲も真意を測りかねています。

 ただ、王会長は『(16球団のほうが)CSの開催方式が円滑になる』とも発言した。背景には、ソフトバンクが昨季、リーグ2位ながら日本一になったことで、“CS制度で勝ち上がるのはおかしい”と批判を浴びたことが念頭にあったのでしょう。16球団制なら、4チームずつ4地区に分け、各地区の優勝チームがプレーオフ式に日本一を争う形となり、昨季のような批判を受けずに済む」

 一方、「野球人気の低下への危機感もあるのでは」と見る向きもある。

 近年、高校野球をはじめ野球人口は減少の一途を辿り、東京五輪を最後に正式種目から外れることが決まっている。

 かつては1993年にJリーグが誕生した際にも野球人気の低下が懸念されたが、同年に長嶋茂雄氏(83)が巨人監督に復帰して球界を盛り上げた。ある球団関係者はこう推し量る。

「昨年はラグビー日本代表が人気を集め、W杯の直後に開催された『世界野球プレミア12』の侍ジャパンの盛り上がりも、ラグビーに比べると見劣りした。ラグビープロリーグ誕生に向けた動きもある中で、体調不安もある長嶋さんに代わって、球界のレジェンドとしてプロ野球を盛り上げよう、という気持ちもあるのかもしれません」

“王の一声”が「球界再編」のきっかけとなるか。

※週刊ポスト2020年1月31日号

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