教育の情報化が専門の徳島文理大学の林向達准教授が解説する。
「端末を配置すると、管理する人件費が一体でついてくる。保守や支援員の人件費を継続的につけるか、初期段階での教員への研修などを通じて教員自らできる体制にするか。いずれかしかない」
文科省に聞くと、「4校に1人のICT支援員の人件費は地方交付税ですでに措置済み。それ以上は自治体で手当てしてもらう」とする。何のためにどう活用するのか、見通しもなく進めば、投じる金は4000億円では済まない。後になって費用が膨張するのは公共発注の常だ。
新機種の投入を予定する富士通の広報担当者に価格について問うと、「回答は控える」と述べるのみ。厳しい経営環境のなか、電機メーカーが安い端末を提供し続けられるという保証はない。監視を続けなければ端末は行き渡らず、納税者が高いツケを支払わされる。まともに機能しない国会では、監視役として心許ない。
※週刊ポスト2020年2月7日号