一方、『イマドキの不倫事情と離婚』などの著書がある行政書士の露木幸彦氏は、妻にはこんな複雑な感情もあると語る。
「一般的には、夫の不倫相手は年下、立場も下の女性が圧倒的に多い。その場合は妻からすると“デート代を夫がすべて払ってくれるからついてきたのね”“(夫は)遊びに連れて行ってくれる相手としか思われていない”と自分を納得させることができます。逆に、経済的にも自立している女性であるほど、“気持ちの部分でつながっている”と許せなくなります」
女性の行動が、妻の怒りを招くこともある。東出の不倫相手の唐田は、SNSに東出の写真を多数掲載し、インタビューで「ずっと一緒にいましたね」と語っていたことが批判に火をつけた。昨今はそうして公言できない彼の存在をSNSなどでちらつかせる「匂わせ女」が目立っている。自身も離婚経験のあるフリーライターの亀山早苗氏が言う。
「匂わせは“妻への挑戦状”だという意見もありますが、深い意図があるとは限らない。それよりむしろ夫がそれをたしなめなかったことで“恋するバカップル”に見えることに、妻は単純にムカつくのだと思います」
20年にわたって不倫当事者の取材を続ける亀山氏は、こんなケースがあったと言う。
「夫が行った店をSNSにあげる度に、同じ店の写真をSNSに載せる女性に妻が気づいた。不倫を確信した妻が、女性のSNSに“素敵なお店”とコメントすると、女性も妻だと察した上で“デートしていました”と返したんです。SNS上でのバトルに気づいた夫が妻に“なんとか収めてくれ”と頼みましたが、妻は“なんで私だけに言って彼女には注意しないの”と。結局、妻はそんな夫が許せず離婚調停に発展しています」
※週刊ポスト2020年2月14日号