【3】初期症状でインフルエンザと見分けられるか
中国の医師らが英医学誌『ランセット』に寄稿した症例報告によると、新型コロナの初期症状は多い順に、発熱(98%)、咳(76%)、筋肉痛または疲労(44%)とされる。鼻水や鼻詰まりはほとんど報告がなく、下痢や痰、頭痛が出た例がわずかにあるという。
「インフルエンザの症状とよく似ているので見分けるのは非常に難しい。新型コロナは上気道でウイルスが増殖して炎症を起こし、そこから下気道、肺の方へ広がり肺炎の症状が出るとされ、傾向としては先に咳が出て、その後、高熱が出ると言われている。そこがインフルエンザとの違いかもしれませんが、熱や咳が出にくい人もいるので注意が必要です。
新型コロナの検査キットは現在では国内で製造可能となっているので、地方の衛生研究所で遺伝子検査ができます。診断は数時間でつくようになってます」
厚生労働省は、感染の疑いがある人に対する専用の外来窓口を全国の主要な医療機関に一般には非公開で設置し、他の患者と接触しないで受診できる環境を整備する。もし新型コロナのような症状が出たら、まず保健所の相談センターに電話して、受診する医療機関を紹介してもらうという形になる。
【4】感染が発覚したら「強制入院」させられるのか
政府は新型コロナを指定感染症とする政令を2月1日付で施行した。これにより、国内で感染が確認された患者に対して、強制的な入院や、仕事を一定期間休むよう制限するなどの措置が可能になる。入院にかかる費用は公費で負担される。
ということは、もし新型コロナに感染していることが判明したら、強制的に入院させられるということか。
「基本的には他の患者と接触しない形で入院することになります。本人が『自宅で療養する』と言っても、認められません」(外岡氏)
軽症であっても、他の人に感染させる危険はあるので、感染の拡大を防ぐにはやむをえない措置と言える。