【5】治療効果があるという抗エイズウイルス薬 日本では?

 新型コロナにはまだ特効薬はなく、致死率は今のところ2~3%程度とされている。

「ウイルスに対する薬がないので、発熱や咳などの症状に対する対処療法が行なわれることになります。一番大変なのは、呼吸困難に対する治療で、重症化した場合、人工呼吸器をつないで回復を待つことになります」(外岡氏)

 現状では特効薬はないが、中国科学院と上海科技大学らの研究チームが新型コロナに12種の抗エイズウイルス(HIV)薬などが効く可能性があると発表し、中国ではすでに治験が始まっているという。また、タイ保健省は2月2日、バンコクの国立病院の医師が、中国人旅行客の重症患者に抗エイズウイルス(HIV)薬「ロピナビル」と「リトナビル」、インフルエンザ薬の「オセルタミビル(タミフル)」を投与したところ、劇的に症状が改善したと発表した。

「ただ、無効であるとの報告もでているので、今後行われる臨床試験が注視されます。日本で実施すると実験的治療になるので法的な問題があります。厚労省が認めない限り、使えません」(外岡氏)

 とはいえ、今後に期待はもてる。特効薬ができれば、致死率は大幅に下がると考えられる。また、実際の感染者は発表数字の何十倍もいて、そのほとんどは軽症と考えれば、本当の致死率は分母が大きくなってもっと低いはずである。インフルエンザの致死率は0.1%程度とされていて、新型コロナもそれと同程度に落ち着く可能性はある。

 アメリカ疾病管理予防センター(CDC)の発表によれば、アメリカでは今、インフルエンザが猛威をふるい、昨年10月から今年1月にかけて1900万人が感染し、18万人が入院、1万人の死者が出ているという。感染者数や死者数の規模は、新型コロナの比ではないが、ほとんど誰も関心をもっていない。新型コロナについても、各自が正しい知識をもって冷静に対処していかねばならない。

●取材・文/清水典之(フリーライター)

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