国内

新型コロナ 感染拡大を「正しく怖がる」ための5つの視点

感染したクルーズ船の乗客を搬送する救急隊員ら(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大は留まるところを知らず、2月4日の時点で感染者は世界全体で2万613人、死亡者は427人に達し、ともにSARS(重症急性呼吸器症候群)を上回った。日本でも、横浜港に停泊し検疫が実施されていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客らから感染者が10人見つかり、国内での感染者数は33人になった。1月31日に感染が確認された千葉の女性ガイドのケースでは、中国人観光客との接触がなく、先に感染が確認されたバス運転手から感染した三次感染の疑いが濃厚となっている。

 武漢市からチャーター機で帰国した日本人565人のうち8人(1.4%)が感染していたことも日本社会に衝撃を与えた。人口1100万人の武漢市で、1月31日時点の感染者数は中国公式発表では3215人とされ、もしそれが正確なら武漢市の感染者の比率は0.03%に過ぎないはずだ。帰国者の感染率の高さは、実際には中国当局が把握していない感染者が何倍、何十倍も存在していることを示唆する。

 日本政府は、湖北省(武漢市を含む)発行の中国旅券所持者と、湖北省に滞在歴のある外国人に対して入国を制限する方針を決定した。だが、すでに日本へは中国から多くの観光客やビジネスマンなどが日本を訪れていて、無症状のまま入国していれば、国内でも政府に把握されていない二次感染、三次感染が起きていても不思議ではない。すでに水際対策で抑え込めるラインを超えている可能性がある。

 日本でも感染が拡大すれば、我々ができるのは、個人レベルでの予防・対策しかない。症状や予防法、感染時の対応など、現時点でわかっている正しい知識を知って、正しく怖がり、冷静に対処することが大事だ。

 元小樽市保健所所長で医療ジャーナリストの外岡立人氏(医学博士)に取材し、新型コロナウイルスの日本での感染拡大を「正しく怖がるための5つの視点」を挙げてみた。

【1】日本でも中国同様に感染が拡大するのか

 ウイルス本体の表面にある突起が王冠(crown)に似ていることから、ギリシャ語で王冠(corona)を意味するコロナという名前がつけられたコロナウイルス。自然界に多数の種類が存在しており、これまで人に感染するのは6種類とされる。そのうち4種類は感染すると一般的な風邪を発症し、残りの2種類がSARS(重症急性呼吸器症候群)とMERS(中東呼吸器症候群)を引き起こす。今回の新型コロナウイルスは、人に感染する7つ目のコロナウイルスとされている。

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン