ライフ

テーブルを汚さぬジャムスプーンがヒット、開発までの物語

燕の職人が仕上げたキッチンツール

 毎日の朝食に便利な『leye テーブルを汚さないジャムヘラスプーン』(全長19.8×幅2.2×高さ2.4cm、1000円、オークス)。ジャムがついたスプーンをテーブルを汚さずに直接置くことができる商品だ。斬新な視点を用いたアイディアを新潟・燕三条の職人が仕上げたキッチンツールの開発物語をお届けする。

 オークスは、新潟県三条市に本社を置く雑貨メーカーだ。女性ならではの視点を生かしたアイディアをもとに、燕三条の職人と作り上げた同社のキッチンシリーズ「leye(レイエ)」から、昨年10月、『leye テーブルを汚さないジャムヘラスプーン』が発売された。

「ジャムを塗ったあとのスプーンやバターナイフの置き場に困る」という日常の悩みを解決するために、先端部を浮かせることで直接テーブルやキッチンの天板に置けるジャムスプーンを作ろうと考えた。

 先端を浮かせるためには、持ち手の部分の長さがある程度必要になる。ジャムスプーンとしての塗りやすさと先端が浮くバランスを両立させるため、アクリルスプーンを使い、およそ40本もの試作品を作った。先端が浮くバランス感覚がわかったところで、ようやく燕三条の職人の手により、完成した。

 こだわったのは、先端が浮くということだけではない。先端の長さは一般的な瓶の深さに配慮して設計しているため、瓶底をすくっても、瓶のフチのジャムが脚部について汚れることはない。スプーン先端のカーブは瓶の底やマーガリンのケースのフチにフィットし、すくい取りやすい形状になっている。平らなところに置くと、持ち手にすき間ができて取り置きしやすいのも特長の1つだ。

 年間の売上目標は8000本だが、発売の3か月後には2700本売れ、好調な滑り出しを見せた。好評の理由は、ジャムヘラスプーンとしての用途に限られないところ。

「Webサイトでも打ち出していますが、餃子の具をすくったり、ツナ缶の油を切ったり、はたまたマドラーとしても使えたりと、用途が広いために購入してくれる人が多いようです」と、担当者は語る。

 また、コーヒーを1日に何杯も飲む人で、砂糖とミルクをかき混ぜるスプーンをそのまま置いた状態にでき、いちいち洗わなくていいのが便利だという声もあるという。ほかにも、ユーザーからは「持ち手の長さがあるので、指が汚れない」「ステンレス製で清潔なのもよい」という声が寄せられている。

 leyeはキッチンツールをラインアップしているシリーズだが、これからは時代のニーズに合わせた新しいジャンルの商品も開発予定だそう。

※女性セブン2020年2月27日号

ジャムを塗るだけでなく料理の下ごしらえなど、アイディア次第でさまざまな用途に使える

関連キーワード

関連記事

トピックス

林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
「パー子さんがいきなりドアをドンドンと…」“命からがら逃げてきた”林家ペー&パー子夫妻の隣人が明かす“緊迫の火災現場”「パー子さんはペーさんと救急車で運ばれた」
NEWSポストセブン
豊昇龍
5連勝した豊昇龍の横綱土俵入りに異変 三つ揃いの化粧まわしで太刀持ち・平戸海だけ揃っていなかった 「ゲン担ぎの世界だけにその日の結果が心配だった」と関係者
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト
韓国アイドルグループ・aespaのメンバー、WINTERのボディーガードが話題に(時事通信フォト)
《NYファッションショーが騒然》aespa・ウィンターの後ろにピッタリ…ボディーガードと誤解された“ハリウッド俳優風のオトコ”の「正体」
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「高市総理を阻止せよ」イカサマ総裁選の裏ほか
NEWSポストセブン