国内

マスク品薄、解消いつ? 政府「1億枚供給宣言」でも買えず

店頭で普通に買えるようになるのはまだ先になりそう(時事通信フォト)

 中国・武漢発の新型コロナウイルス感染拡大により、日本各地のドラッグストアやコンビニの店頭からマスクが消えてから早くも半月が過ぎた。家庭向けはもちろん、病院や介護施設などで使う医療向けでも、マスク不足が深刻化している。現在の品薄感は、いつ解消されるのだろうか──。

 日本衛生材料工業連合会の統計データによると、2018年度に日本で流通した家庭用・医療用・産業用マスク約55億枚のうち、輸入が約44億枚、国内生産は約11億枚だった。8割を主に中国からの輸入で賄っているのが日本の現状だ。病院や介護施設に衛生用品を納入する販売代理店の営業担当者はこういう。

「多くの施設が中国製マスクを使用するなか、輸入がストップしたせいで、2月以降は全く納入できていません。各施設から在庫の確保をお願いされましたが、納入実績のない国産マスクを優先的に回してもらうことは難しく、ほとんど応えられませんでした。2月末には中国からマスクを積んだ船が入港できるかも、との情報がありますが、定かではありません」

 こうした窮状を打開すべく、政府も動きを見せた。菅義偉官房長官は2月12日の会見で次のように“宣言”した。

「マスクは中国からの輸入停滞などにより品薄状態でありますが、厚生労働省、経済産業省が強く増産要請をし、24時間生産の体制強化により、早ければ来週(17日の週)以降、例年以上の毎週1億枚以上が供給できる見通しであります」

 実際、『エリエール ハイパーブロックマスク』などを販売する大王製紙の広報課は「フル生産体制です」としており、供給に全力を挙げているが、週が明けた17日以降も店頭にマスクが並んでいる様子は見られない。『超快適』マスクを販売するユニ・チャームの直販サイトでも〈マスク・ウェットティッシュは受注集中のためお届けにお時間を要します〉との表示が出ている。流通アナリストの渡辺広明氏はこう見る。

「マスクの品切れ・品薄状態が半月近く続く間、ドラッグストアよりもコンビニで少量パックの商品が並ぶケースが目立ちました。流通の構造上、直営のドラッグストアよりフランチャイズ店のコンビニのほうが欠品に厳しく、優先的に納品されるからです。とはいえ、発注単位が絞られるようになり店頭に出せる数が少ないので、夜に入荷しても朝には売り切れてしまうコンビニがほとんど。この状況は先週から変わっていません。

 政府が『供給できる見通し』と宣言した1億枚について、マスクの流通に携わる関係者からは、『医療や介護の現場に優先的に配分されるようだ』との話が一部から聞こえてきました。増産したマスクを店頭に並べても、一部の人に買い占められて転売されては意味がありません。そう考えると、話が真実であれば政府は求められる役割を果たしつつあると言えそうです」(渡辺氏)

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン