2月4日午前の様子。感染発覚後も、乗客は自由に動いていた(乗客提供)
「乗客の感染が判明したのは2月1日でしたが、私が事実を知らされたのは3日です。この間に政府が早期隔離の処置を取らなかったので、乗客が1000人収容の劇場でショーを見たり、レストランで食事をしたりサウナに入るなど感染が広がりました」
船内では、乗船者が吹き抜けのラウンジに集まって、思い思いにくつろいでいたという。こんな状態で感染を防げるわけがない。船内の感染爆発は、明らかに政府の無為無策の責任である。しかも乗員は船底に近い部屋の二段ベッドに寝泊まりし、徹夜で見張りをする上に配給作業なども行っていた。
「過酷な労働環境に加えて乗客から感染するリスクも高く、まさに人権侵害です。このクルーズ船は、“閉じられた環境でどれほど感染が拡大するかを試す巨大な実験場ではないか”とすら思います」(前出・平沢さん)
※女性セブン2020年3月5日号