「睡眠薬を点滴で注射し、ゆっくりと眠りに入ってもらいます。その後に胃カメラを入れて検査するという方法です。患者は寝ている間に検査を受けられ、ストレスが軽減できます。より解像度の大きい、口から入れる内視鏡が無理なく使えるというメリットもあります。
よく勘違いされるのですが、これは手術で使うような『全身麻酔』ではありません。検査が終わった後は睡眠薬の効果を打ち消す薬を投与することで目を覚ましてもらう。もちろん薬を使うリスクはあるので、血中の酸素飽和度や脈拍は常にチェックしています。
睡眠薬を使うと、胃カメラの映像を見ながら医師の説明を受けられないというデメリットもあり、きちんと患者の状態を管理できない施設で行なうと事故につながるリスクもあります」(水野医師)
肛門から挿入する大腸カメラも、カメラを押し進めることで腸が引き伸ばされるため、強い痛みを伴うことが多い。
「大腸カメラは、胃カメラ以上に医師の技術によってつらさが変わってきます。技術がない医師だと、内視鏡を奥に挿入するにつれて大腸を引き伸ばしてしまい痛みを生じさせてしまいます」(水野医師)
こちらは“つらさ”が医師の技量を知るためのバロメーターになるという指摘である。
※週刊ポスト2020年2月28日・3月6日号