ライフ

肝臓がんは「個数」や「大きさ」によって切らない判断もある

切らないという判断もある

 健康診断や人間ドックで「異常あり」と判定されると、大病院や専門病院などで精密検査が行なわれる。その結果、重大疾患が見つかれば、医師と治療方針について話し合うことになる。その際、第一選択肢として提案されることが多いのが「手術」だ。

 典型的な例が「がん」だ。CTなどでがんが発見されると、医師から「すぐ切ったほうがいいでしょう」と提案されることは多い。

 だが、「必ずしも『切る』だけが正解とは限りません」と、医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が指摘する。

「早期のがんは『見つけたら切る』が常識ですが、がんの種類によってはそうではなくなってきた。近年は生存率だけでなく、患者のQOL(生活の質)を見据えた治療が求められるようになり、部位やステージに応じて手術以外の治療法も組み合わせるケースが増えています」

 その判断は、個々の患者の状態や価値観によって変わる。

「切除しきれない進行がんで、手術後に再発してしまう可能性が高いならば、手術によってQOLが低下するのを避ける考え方もあるのです」(室井氏)

 後悔のない選択をするために大切なのは、様々な検査を経て診断が確定した後も「切らない道」を完全に排除しないことだ。

「とくに外科医は『治療の根幹は切除』という考えに偏りがちで、患者に手術を勧めることが多くなってしまう。

 病状によっては早く切ったほうがいいケースもあります。重要なのは医師の提案を鵜呑みにするのではなく、患者自身が選択肢を把握したうえで医師と話し合い、合意していくこと。それが最近の主流です」(室井氏)

 検査結果を踏まえて「切る、切らない」の境界線はどこにあるのか。腹部CTのケースを見ていく。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン