密着取材のため稽古場へ入ると、全員を集めて媒体名と名前を紹介してくれた。こうした場で個人名まで紹介されることは、あまりない。拍手の中で岸谷と言葉を交わして握手すると、なんだか地球ゴージャスという家族に迎え入れられたような気持ちになった。岸谷が寺脇と四半世紀こつこつ築き上げてきた温かい稽古場は、真剣勝負の稽古のさなかにも皆の明るい笑顔に包まれていた。
【プロフィール】きしたに・ごろう/1964年生まれ、東京都出身。1983年に三宅裕司主宰『劇団スーパー・エキセントリック・シアター』に入団し、看板男優として活躍。退団後の1994年に演劇ユニット『地球ゴージャス』を結成。俳優として映画やドラマに出演する傍ら、数多くの舞台で演出を手がけるなどマルチに活躍する。「地球ゴージャス二十五周年祝祭公演『星の大地に降る涙 THE MUSICAL』」は3月10日から東京公演(舞浜アンフィシアター)、5月3日から大阪公演(フェスティバルホール)。
◆撮影/江森康之、田中智久 取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2020年3月13日号