島には大学がないため、大学生と会うことはなく、仕事も農業、漁業、観光業などが中心。自分には何が向いているのか、どんなことがやりたいのかを考え、進路を決めていくことが難しい環境にある。
UTFRの活動を支援している高志塾の舘田真由美さんは言う。
「石垣島にいると、大学はとりあえずいまの実力で入れるところを目指す、という考えが主流です。UTFRとの出会いは、石垣島の子供たちに刺激を与えてくれています」
何十年も東大合格者が出ていない石垣島の高校。前出の神田さんは「指導している中に高校2年生が2名います。来年の春には結果を出したいし、出せると思う」ときっぱり。
「東大志望の高校生たちとは、毎日のようにメールや電話で勉強の進捗などのやりとりをしています。学習習慣が身につき、東大に向けて努力を始めている彼らの変化を感じるからこそ、可能性を感じています。ぼくたちも本気で彼らと向き合い、支援を行っていきます」(神田さん)
石垣島という大学受験には不利な環境から東大合格者を出すことで、日本全国どの地域からでも東大を目指すことができるという証に。それが非進学校出身である彼らUTFRの大きな夢なのだ。
※女性セブン2020年3月12日号