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臨死体験の研究者「その存在に納得がいきます」の根拠

臨死体験により生死の境界を認識することで、死への恐怖が和らぐ人もいるという(イラスト/たばやん)

 20年前。年老いて小さくなった祖母の体にかかる真っ白な布団が、呼吸のたびにかすかに上下していた。危篤の知らせを受けて病院に駆けつけた家族が必死に呼びかけるが、次第に反応がなくなっていった。ひと呼吸ごとの間隔が長くなり、いよいよと思ったそのとき、田代有希さん(43才・仮名)は天井の片隅が急に明るくなったことに気づいた。

「もともと霊感が強い体質だったこともあり、それに気づいたのは私だけでした。ほかの人に見えていないその光は、どんどん明るさを増しながら、天から降りそそいでいました。それに私の体が触れたとき、経験したことがないほどの凄まじい吐き気に襲われました。

 ああ、これは私が触れてはいけない光だ──そう思った次の瞬間、祖母の体がビクビクッと上下したかと思うと、まるでさなぎが羽化するかのように、体から魂が抜け出てきました。そして天井から降りそそぐ光に吸い込まれるように、昇って行ったのです。

 光が降りそそぎ、人が天に召されていく様は、まるで映画『ゴースト』のワンシーンのようでした。いま思えば、あれはお迎え現象だったのでしょうね」

 死を前に、お迎え現象や臨死体験、虫の知らせなど不可思議な現象に遭遇した、またそういう話を聞いたことがあるという人は多いだろう。私たちはそうした現象をどう捉えるべきなのだろうか。

◆生死の境で“別の人生”を体験

 東久美子さん(当時26才・仮名)は、出産時に臨死体験をした。

「子供を産んだ後、明るい光が差して頭の中が真っ白に。次の瞬間に色とりどりの花が咲くお花畑と、その先にきれいな水が流れる小川が見えました。そこに人が2~3人いて、ニコニコとこっちを見て笑っている。“私、死ぬんだなあ”と思いつつも怖さはなく、その笑みに誘われるようにあちらに行きかけたそのとき、自分の名前を呼ぶ母親の声に気づいてハッと目が覚めました」

 萩尾智也さん(当時13才・仮名)は池で溺れたときに臨死体験をした。

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