国内

朝日新聞99歳女性社主の逝去で気を揉む「株式11%」の行方

後見制度を利用していたという(時事通信フォト)

 3月3日、朝日新聞社の村山美知子社主が99歳で死去した。非上場の同社株は創業者の村山家で受け継がれ、保有者は「社主」と呼ばれてきた。有価証券報告書によると、美知子氏は第3位の11%を保有していたが、その“行方”が注目を集めている。

 美知子氏は独身で、子供もいないが、相続資格のある直系親族に甥がいる。順当にいけば株は甥に引き継がれ、社主に就任することになるはずだ。ジャーナリスト・伊藤博敏氏はこう話す。

「美知子社主と甥の関係は良好で、トラブルがあったという話は聞いていません。私が取材したときも、甥は美知子社主のことを非常に心配しており、最期を看取ったのも彼と聞いています。ただ、株式についてはそのまま親族間の相続とはならない可能性がある」

 2008年6月、美知子氏は保有する株の一部をテレビ朝日などに売却し、筆頭株主から下りている。

「村山家と朝日新聞の関係性は必ずしも芳しくはなかった。“物言う株主”でもあった村山家は人事や編集方針に口を出し、『40年戦争』と呼ばれる対立が起きたほどです。

 それが朝日新聞の説得に応じて株式を売却する関係に変わった。成年後見人には朝日新聞と関係の深い2人を指定している。朝日新聞は美知子社主を完全に取り込んだという印象を受けます」(伊藤氏)

 朝日新聞は「お答えする立場にありません」(広報部)とし、財産管理を担っている後見人の税理士は美知子氏の名を出すと「そういうお話は結構です」と、電話を切った。伊藤氏が言う。

「2008年の時のように朝日新聞の関連会社、法人などに譲渡する可能性は十分にある。そうなれば創刊から140年を経て、朝日新聞は村山家から解き放たれることになる」

 結果は如何に。

※週刊ポスト2020年3月20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

上原多香子の近影が友人らのSNSで投稿されていた(写真は本人のSNSより)
《茶髪で缶ビールを片手に》42歳となった上原多香子、沖縄移住から3年“活動休止状態”の現在「事務所のHPから個人のプロフィールは消えて…」
NEWSポストセブン
ラオス語を学習される愛子さま(2025年11月10日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまご愛用の「レトロ可愛い」文房具が爆売れ》お誕生日で“やわらかピンク”ペンをお持ちに…「売り切れで買えない!」にメーカーが回答「出荷数は通常月の約10倍」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《10代少女らが被害に遭った“悪魔の館”写真公開》トランプ政権を悩ませる「エプスタイン事件」という亡霊と“黒い手帳”
NEWSポストセブン
「性的欲求を抑えられなかった」などと供述している団体職員・林信彦容疑者(53)
《保育園で女児に性的暴行疑い》〈(園児から)電話番号付きのチョコレートをもらった〉林信彦容疑者(53)が過去にしていた”ある発言”
NEWSポストセブン
『見えない死神』を上梓した東えりかさん(撮影:野崎慧嗣)
〈あなたの夫は、余命数週間〉原発不明がんで夫を亡くした書評家・東えりかさんが直面した「原因がわからない病」との闘い
NEWSポストセブン
テレ朝本社(共同通信社)
《テレビ朝日本社から転落》規制線とブルーシートで覆われた現場…テレ朝社員は「屋上には天気予報コーナーのスタッフらがいた時間帯だった」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《愛子さまのラオスご訪問に「感謝いたします」》皇后雅子さま、62歳に ”お気に入りカラー”ライトブルーのセットアップで天皇陛下とリンクコーデ
NEWSポストセブン
竹内結子さんと中村獅童
《竹内結子さんとの愛息が20歳に…》再婚の中村獅童が家族揃ってテレビに出演、明かしていた揺れる胸中 “子どもたちにゆくゆくは説明したい”との思い
NEWSポストセブン
日本初の女性総理である高市早苗首相(AFP=時事)
《初出馬では“ミニスカ禁止”》高市早苗首相、「女を武器にしている」「体を売っても選挙に出たいか」批判を受けてもこだわった“自分流の華やかファッション”
NEWSポストセブン
「一般企業のスカウトマン」もトライアウトを受ける選手たちに熱視線
《ソニー生命、プルデンシャル生命も》プロ野球トライアウト会場に駆けつけた「一般企業のスカウトマン」 “戦力外選手”に声をかける理由
週刊ポスト
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン