ライフ

災害時にトイレ逆流…、部屋が水浸しに…どうしたらいい?

災害時に起きた事例の数々から危機管理を学ぶ

 地球環境の変化に伴い、大きな災害が増えている昨今。“過去の災害から学ぶ危機管理”が注目されている。東日本大震災や昨年の台風豪雨被害で、被災した地域ではどんなことが起きていたのか──。事例を紹介しながら対処法を専門家に聞く。

【教えてくれたのは…】
防災アドバイザー・地曵美香さん/危機管理教育研究所認定講師、千葉県災害対策コーディネーター、ポリ袋料理研究家、食育アドバイザー。防災のアドバイスや災害食教室を開催。

◆台風災害で屋根が壊れて、部屋が水浸しになった

 昨年の台風15号・19号では、多くの家屋が損壊した。なかでも多かったのが屋根の崩壊による雨漏り被害。このとき大活躍したのが、屋根や部屋を覆うブルーシートだ。

「昨年の台風災害や熊本地震のときもブルーシートが不足して、被災した多くの人が対応に苦慮しました。ブルーシートは防災用品の1つとして、大きさ別に何種類か用意しておくことをおすすめします。また、瓦屋根のお宅では、あらかじめ段ボールで瓦の大きさに切り、ビニールシートで覆って簡易的な瓦を作っておくと、瓦の一部損壊のときに役立ちます」(地曳さん・以下同)

◆水洗トイレの汚水が逆流し、溢れた

水洗トイレに水のうを入れて蓋をすると逆流が防げる

 豪雨のときは下水が逆流し、水洗トイレや風呂場、洗濯機の排水口などから水が噴き出してくることがある。その対策として、国土交通省が提案しているのが「水のう」だ。

 水のうは、厚手のビニール袋に水を入れた土のうの水バージョン。水洗トイレの中や洗濯機の排水口の上に水のうを置いて蓋をすると、逆流を抑える効果がある。

「洪水や停電で水洗トイレが使えない場合を想定し、防災用の簡易トイレや、自宅のトイレに取り付け可能な非常用汚物入れなどを用意しておくといざというときに役に立ちます」

◆避難して帰ってきたら、家が火事に

 災害時の火災の原因の1つに、停電復旧の際の漏電がある。昨年の千葉県の台風災害でも、ブレーカーを落とさず避難した人が、帰宅すると家が火事になっていたケースが数軒報告されている。

 避難する前や停電になったら、必ず電子機器のコンセントを外し、ブレーカーを落とすのが鉄則。ブレーカーの落とし方は、【1】使用中の電気製品のスイッチを切る。【2】電子機器すべてのコンセントを抜く。【3】ブレーカーを切る。

 電気復旧時の操作はその逆から。【1】ブレーカーを入れる。【2】コンセントを入れる。【3】電子機器のスイッチを入れる。

※女性セブン2020年3月26日・4月2日号

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン