精力的に作品への出演を続ける(時事通信フォト)

 最終回、「尾高さんが好き」とケイトは語ると同時に、「尾高さんには子どもを見捨てないでほしいの」とも言う。尾高も残された幼い子どもを見て「1人で子どもを育てていこう」と決意。二人の恋は本物だったけれど、ハッピーエンドは無し。大人がそれぞれ別の生きる道を選んだ、という結末を視聴者も納得して見たわけです。

 このドラマで最も注目すべきセリフ。それは、「命を削って真実に突き進んでいくケイトが好きなんだ」という尾高の言葉でした。女としてだけでなく記者という仕事に生きるケイトに惚れたカメラマン・尾高がいました。一方、朝ドラで夫と妻は同じ作陶家。妻について「喜美子の隣におるのは、しんどいな」とつぶやく八郎。極めつけは「僕にとって喜美子は女や。陶芸家やない。これまでも、これからも」というセリフ。

 仕事に対する情熱や才能を、相手の男性はどう評価するのか。尾高と八郎のセリフの中に「決定的な違い」が見てとれたことも興味深い点でした。

『知らなくていいコト』は3月11日最終回に番組最高視聴率10.6%をたたき出して幕を閉じました。数字や続編を望む反響を見る限り、視聴者の共感と一定の評価を得たと言えるでしょう。つまりは、芸能人の不倫騒動で当事者はこてんぱんに批判を浴びましたが、だからといって、確固としたドラマ世界があれば影響は受けない、ということを『知らなくていいコト』は証明してみせたわけです。

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