進む生殖補助医療(写真はイメージ。AFLO)

 この判決は「男性の自己決定権が侵害された」と認められたところが注目を集めた。

「男性側の『リプロダクティブライツ』(性と生殖に関する権利)が認められた異例の判決です。リプロダクティブライツとは、子供を産むか、産まないか、いつ、何人持つかなどを自分で決める権利のことで、1994年の国際人口・開発会議で提唱されました。日本では2000年に男女共同参画基本計画に盛り込まれ、女性の健康支援策の基盤となった。リプロダクティブライツは主に妊娠出産を担う女性側に向けてのものという意味合いが強かったのです」(同前)

 家族問題に詳しいみずほ中央法律事務所の三平聡史・代表弁護士はこう語る。

「男性側に対して、子供を産む、産まないを決めるリプロダクティブライツが認められたことは画期的です。

 体外受精では、男性が子供を望むか望まないかを決めるタイミングは『受精卵をつくる時』と、『受精卵を母体に移植する時』の2段階があります。今回は移植の段階で元妻の違法行為(同意書の偽造)により、男性は自分で決められる権利を奪われたわけですから、妥当な判決だと思います」

◆性交渉でできた子供は

 この判決が出た背景には、体外受精を始めとした不妊治療の増加がある。体外受精では、夫の精子を妻の卵子に注入する顕微授精などで作った受精卵を凍結保存し、着床しやすい時期に1~2個ずつ母胎に移植する方法が主流で、体外受精の出産の8割を占める。

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