ムロが女性を演じたドラマ『三浦部長、本日付けで女性になります。』(公式HPより)

 その一方で、『大恋愛~僕を忘れる君と』では若年性アルツハイマー病を抱えた妻を支える小説家の夫、『病室で念仏を唱えないでください』では、ダークな顔を持ちつつ独自のやり方で自分のやりたい医療を目指すエリート心臓血管外科医に。シリアスな顔もたくさん見せてきた。どんな役もやるのが仕事とはいえ、これほど振れ幅が広い俳優はあまりいない。

 いったいムロツヨシとは何者か。その答えが実は本人から出ていた。先日の『川柳居酒屋なつみ』。フリーになった宇賀なつみが女将を務める居酒屋で常連客のムロとともにゲストとトークをするというこの番組。小栗旬、山田孝之らを迎えてきたが、一周年となるのを機に「ムロツヨシ これより 旅に出てきます」とこの番組を卒業すると宣言。その理由は役者をもうちょっとやらないとと思ったこと、そして「もうちょっと自分を知らないと、ふざけた大人にもなれないですし」…って、え、なってなかったの? あのザビエルはなんだったの!? 

 これがムロの目指すところだったとは。彼の「ふざけた大人」の完成形っていったいどんなものなのか想像もつかない。まだまだムロのことはわからないことだらけだが、ひとつヒントになるとすれば、『徹子の部屋』に出たときの黒柳徹子のムロ評だろう。

「何かわーわーおっしゃってる人」

 さすがだ。もう完成してるじゃん。

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