東京への流入人口は1日約300万人だが、テレワークと一時帰休、イベント中止やレジャー自粛で映画館、劇場、飲食店は休業、公共交通機関の減便がさらに進めば、昼間人口300万人が消え、夜は外出自粛で灯が消えた街になる。
◆待ち受ける生活制限
その先に待ち受けているのはどんな事態か。感染爆発が起きている欧米の都市の光景を見ればいい。
3月23日に全土に外出禁止令を出したイギリスでは、食料品や生活必需品を扱う商店以外は閉鎖、外出が認められるのは必要最低限の買い物と1日1回の運動のみ。公園などで3人以上が集まることも禁止され、結婚式を含めた社会的行事も中止。ルールに従わなければ警察は罰金や集会解散を命じることができる。旅行者も対象だ。
フランスも幼稚園から大学まで無期限の休校、生活必需品以外のすべての商店が閉鎖され、国民には厳しい移動制限措置をとっている。自宅勤務できない通勤者や買い物の外出には「証明書」が必要で、こちらも違反すれば罰金が科される。
米国はカリフォルニア州、ニューヨーク州などが次々に外出禁止令を出している。トルコでは、重症化リスクが高いとされる65歳以上や持病がある人の外出を禁止した。
そうした厳しい生活制限を敷いてでも感染爆発を抑えられなければ、最悪の場合、イタリアのように死亡者が続出、火葬場がパンクすることになりかねない。
東京はいま、その入り口に足を踏み込んだ。
※週刊ポスト2020年4月10日号