胃の検査で使う内視鏡で以前から問題視されてきたのが、ピロリ菌の感染だ。ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍を引き起こすほか、胃がんなどの発症率を高めるといわれている。胃の病気を見つけるために受けた検査で、胃の病気をうつされてしまうのでは、たまったものではない。

 眼科では、アデノウイルスへの感染が心配だ。感染すると流行性角結膜炎(はやり目)になり、結膜がむくんで充血。通常なら2週間ほどで自然治癒するが、ひどくなると視力障害が残ってしまうケースもある。

「感染者が病院で眼底検査を受けると、検査機器にアデノウイルスが付着し、その後に検査を受けた人に感染してしまいます。このウイルスは感染力が非常に強く、片方の目に感染するともう片方も感染するケースが多い。

 アデノウイルスを持っている患者が、病院内でほかの患者に感染させることもあります。そのため、流行性角結膜炎の患者にはどこにも寄らずすぐに帰宅するように強く指導します。しかしその指導を無視する患者がいると、眼科以外を受診したのに、知らないうちに感染してしまう可能性もゼロではありません」(前出・堤さん)

 知れば知るほど、病院はウイルスや細菌だらけ。それでも病院に行かなければいけない人はどうすべきなのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんはこう注意を促す。

「新型コロナウイルスが空気感染する可能性が出てきてしまい、ウイルスが付着しているところを触らないように気をつけるだけではダメという事態になってきた。ですから、本当なら“できる限り病院に行かない”のがベストです。

 血液検査などでどうしても行く必要がある場合は、まずは最低限の対策として、従来通りとにかく手で触れる場所を減らすこと。できる限り人との距離を取ること、そして長居せず、待ち時間が長くなるようなら、外で待たせてもらうなどの交渉をしてみることも必要でしょう。ただし、いくら対策をしても完璧とはいかない。帰宅後の手洗いとうがいを徹底してください」

 身を守るには、病院に近寄らないことだ。

※女性セブン2020年4月9日号

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