芸能

ドリフのコント 権力者、悪ガキの人間関係で絶妙のバランス

なぜあそこまで笑えたのか(時事通信フォト)

「東村山音頭」に「バカ殿様」、「アイ、マイ、ミー」、「カラスの勝手でしょ」──。新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した志村けん(享年70)の代表ネタの多くは、ザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』(TBS系)から生まれた。

 1969年10月にスタートし、1973年4月には最高視聴率50.5%を記録。お茶間を笑いの渦に巻き込み続けた、まさに“お化け番組”だった。

 いかりや長介(2004年死去)に怒られてばかりの高木ブー(87)、「なんだバカヤロー!」で一世を風靡した荒井注(2000年死去)、ヘラヘラと掴みどころがない仲本工事(78)そしてどこまでも陽気な加藤茶(77)。ドリフのメンバーは個性派揃いだった。

『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(TBS系)で構成作家を担当した江戸川大学教授で演芸評論家の西条昇氏は、『全員集合』の笑いの作り方についてこう話す。

「いかりやさんはよく、『ドリフは人間関係でコントを作っていた』といっていました。“大人の権力者”としていかりやさんがいて、反対側に悪ガキの加藤さんがいる。残りの3人がいかりやさんについたり、加藤さんと一緒に悪さしたり。そのバランスが絶妙でした」

『全員集合』をはじめ、数多くのドリフの番組で台本を手がけた放送作家の田村隆氏は、「番組初期のキーマンはこの加藤だった」と語る。

「加藤さんは何歳になっても子供心を忘れない人だった。『ウンコチンチン』を普遍的な笑いに昇華させられたのも、彼の天性の愛嬌のなせる業。いかりやさんも、自分より加藤さんをどう活かすか、という点を念頭にコントを作っていた」

 加藤の代表ネタである「ちょっとだけよ、あんたも好きね」も、こうしたいかりやのバックアップがあってこそ花開いたのだという。

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の判決は執行猶予付きに(画像はイメージ、Getty)
「何もついてない、まっさらな状態で抱きしめたかった」呼吸器に繋がれた医療的ケア児の娘(7)を殺害した母(45)が語った「犯行時の心情」【執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト