留学を経て価値観が変化したウエンツは、今後俳優としてどのようなキャリアを積んでいくことになるのだろうか。年間200本近くのインタビュー取材をこなす映画ライターの磯部正和氏は、役者としてのウエンツの魅力を次のように語る。
「ウエンツさんと言えばバラエティなどで大活躍されていますが、俳優としても『ゲゲゲの鬼太郎』や『のだめカンタービレ』、『タイガーマスク』などの出演作があります。特徴的なキャラクターでもデフォルメしすぎず、リアリティを持たせる演技力が高く評価されています」
ウエンツは2000年に芸能活動を一時休止したことについて、父がドイツ系アメリカ人ということもあり、ルックス面で役柄が制限されてしまうことがひとつの要因だったと語ったことがある。そんな彼が、和装に身を包んだ鬼太郎をリアルに演じきるのは、まさに実力がなせる技だと言えるだろう。
「2017年に公開された映画『禅と骨』でインタビューをした際、人を惹きつける魅力について『心の扉を開いている人が魅力的だと思う。混じりけない自分で勝負したい』と話していました。留学を含め自らをしっかりさらけ出して勝負しているところが、ウエンツさんの魅力だと思います」(磯部氏)
留学を経て「自分を認める」という心の扉を開いたウエンツ瑛士は、俳優としても次のステップに進んでいくに違いない。
●取材・文/細田成嗣(HEW)