ライフ

タピオカの次に来る台湾グルメ 「茶」も「飯」も「麺」も充実

紅豆豆花(時事通信フォト)

 自粛を余儀なくされる毎日にあって、最大の気分転換は「食」ではないだろうか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が来るべき食のトレンドについて解説する。

 * * *
 このところの台湾の充実ぶりは、目を見張るばかりだ。決断力あるトップと「天才」と称される若手閣僚が存分に力をふるい、社会システムを構築。世界が対応に苦慮する全容の見えない敵を見事に封じ込め、4月に入ってから、新規感染者がゼロの日もある。

 最近、台湾では新規感染者がゼロになると、コンビニのコーヒーやドリンクチェーンなどで「ゼロ人記念2杯目無料」キャンペーンが行われるという。実に羨ましい(なにが羨ましいかはさておき)。そして人のいない東京の街をぐるりと見回すと、台湾のドリンクチェーンがずいぶん増えたことに気づく。

 昨年のタピオカの爆発的なブームは、まぎれもない社会現象だったし、小籠包や魯肉飯(ルーローファン)は日本の居酒屋メニューにも盛り込まれるようになった。すっかり生活に浸透した台湾グルメは、もはや日本人にとって平和な日常の風景だ。

 とりわけいま求められているのは、やたらに景気のいいバブルっぽい店ではなく、人の日常生活のなかにあるちょっとしたハレの食。台湾グルメはそうした町の空気にもピタリと合う。では、ポストタピオカとも言うべき、次に来る台湾グルメはなんだろうか。

 ポストタピオカとなると、まず候補になるのはドリンクとスイーツだ。台湾のドリンクはタピオカの大ブレイクで一気に認知度が高まったが「ドリンクパラダイス」とも言われる台湾には他にもさまざまな飲み物がある。代表的なドリンクが、最近「台湾フルーツティ」として知られつつある「水果茶」だ。紅茶や緑茶、台湾茶などに、オレンジやマンゴーなどの果汁やジャム、果肉を入れたドリンクで、台湾でも人気が高い。

「台湾現地メディアでも”本格派”と取り上げられている『HOPE CHA』監修の水果茶など、今年何店かの水果茶が日本にも上陸すると聞いています。現地そのままの味だと日本人には少し甘く感じられるかもしれないので、日本人向けの飲み飽きしない味わいにチューニングしてくるんじゃないでしょうか」(日本人向け台湾コーディネーターのAnnaさん)

 店によって使うお茶や果物のブレンドは異なり、それが店ごとの個性にもつながっているという。共通するのは、フルーツの甘味が口当たり良く、酸味が爽やかなのど越しを演出し、茶の渋みで後口もすっきり味というあたり。

 スイーツでいえば、豆乳を固めて作る甘味の「豆花」がじわじわ人気になりつつある。豆乳に凝固剤を入れるという、豆腐のような作り方だが、凝固剤はにがりではなく、タピオカと同じキャッサバの粉と食用の石膏(!)。シロップで味をつけ、甘く煮た豆や芋団子のなどのトッピングを乗せる。みつ豆やあんみつにも似た素材の構成で、若者には新しいものとして捉えられ、ベテラン層はノスタルジーを感じそうなアイテムだ。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン