◆レジ袋必要な人に「ごみ写真カード」
レジ袋はすでに60か国以上で規制され、有料どころか禁止となった国もあるほど。レジ袋の次はペットボトルとも言われています。すでにロンドンでは各地に給水スポットが備えられたため、ペットボトル買いをやめ、水筒を持ち歩く人が増えているのだとか。
3月下旬、経産省がコンビニで行ったレジ袋削減に向けた実証実験の結果を公表しました。
スーパーなど多くの店では、エコバッグ持参でレジ袋が必要ない人が「NO!レジ袋」などと書かれたカードをレジ係に見せるシステムを取っています。けれど、この実験では行動経済学に基づき、レジ袋が“必要な顧客”がカードを提示するという形式を取ったのです。しかも、そのカードには、海岸に漂着したプラスティックごみの写真が大きくプリントされていました。
その結果どうなったかというと、レジ袋を辞退する人の数が今までの24.5%から74.5%と、なんと50%も増えたのだとか。誰だって汚れた海の画像は見たくはないし、レジ袋をもらうことで自分がその原因を作っていると言われているかのようで気が咎め、エコバッグを持参するようになったのでしょう。
もしこれが人気男性アイドルや俳優などの写真だったらどうだったでしょうか。逆にイケメン見たさにわざとレジ袋を欲しがる人が増えてしまったかもしれません。
想像することが苦手な人が増えているといいます。けれど、この漂着ごみの画像は、それを見た人に「なぜ砂浜にこんなにレジ袋が」と直接的に想像させる力を持っています。そしてその結果、「このレジ袋が環境汚染になりかねない」ということに気づかされるのでしょう。
自分の頭で考え、理解できたことは、人はなかなか忘れません。さらに、画像で突きつけられているので脳にもその悲惨な光景がしっかりと刻み込まれれば、エコバッグを持たなくてはという意識も持続するのではないでしょうか。