スポーツ

「1985年とバースの幻想」に捉われ続けた阪神90年代の暗黒期

2年連続の三冠王となったランディ・バース(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、プロ野球はいまだに開幕日が決まらない。そうした中、テレビ各局では過去の名場面などを放送している。5月6日には、NHK総合で『あの試合をもう一度!スポーツ名勝負 2003虎の夢 星野阪神18年ぶりV』と題して、赤星憲広がサヨナラヒットを打って優勝を決めた2003年9月15日の阪神対広島戦(甲子園球場)が放送された。1985年の日本一以降の17年間で、Bクラス15回、そのうち最下位10回という暗黒期を乗り越えての優勝に、阪神ファンは歓喜乱舞した。

 球団創設以来、Aクラスの常連だった阪神はどうして1980年代後半以降、低迷したのか。野球担当記者が分析する。

「1985年のインパクトがあまりに大き過ぎた。三冠王のランディ・バースを始め、1番・真弓明信、4番・掛布雅之、5番・岡田彰布が3割、30本塁打以上を記録し、リーグ最多の219本塁打、731得点を叩き出して優勝したため、その後も“打ち勝つ野球”という幻想を追い求めてしまったのではないでしょうか」(以下同)

 日本一の翌年、バースは2年連続の三冠王に輝くが、掛布の度重なる故障もあり、阪神は60勝60敗10分で3位に終わる。1987年、西武から田尾安志、新外国人にメジャー通算58勝のマット・キーオを獲得し、シーズン前には優勝候補の呼び声さえあった。しかし、3月に掛布が飲酒運転、バースがスピード違反と相次いで不祥事を起こしてしまう。開幕すると投手陣は壊滅状態で、打線も火を噴かない。結局、球団史上最低の勝率3割3分1厘で、断トツの最下位に。2年前に日本一になった吉田義男監督はチームを去った。

「1988年、ミスター・タイガースの村山実監督が就任しましたが、バースはシーズン途中に退団、掛布は引退。主軸2人を失い、2年連続の最下位に。ここから、阪神に弱小球団のイメージがつきつつありました」

関連記事

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン