TOTOの清田徳明社長(同社HPより)
◆“ウォシュレット副社長”が晴れて社長に
住宅設備大手のTOTOは“ウォシュレット副社長”の異名を持つ清田徳明副社長が4月1日付で社長に昇格した。社長交代は6年ぶりだ。
清田氏は、生産畑が長く、温水洗浄便座「ウォシュレット」の開発に黎明期から携わってきた。中国、ベトナムを軸にウォシュレットのアジア展開を進める。TOTOのグローバル化のドライブ役を高機能の自動洗浄便座が担うことになる。
ウォシュレットは今年からタイで現地生産を始めるほか、300億円を投下し、2022年にはベトナムに4番目の工場を建設する。中国福建省にも2番目のウォシュレット工場を立ち上げる。
だが、新型コロナの影響で、稼ぎ頭の中国で生産・販売両面で、“麻痺”状態となり、国内では中国からの輸入がストップしたことから納期の遅れが表面化した。
清田・新社長に突風が吹きつける。
セイコーエプソンの小川恭範社長(同社HPより)
◆一芸に秀でた技術系社長
プリンターや時計、産業用ロボットなどの製品を持つセイコーエプソンの社長交代は12年ぶりだ。小川恭範取締役常務執行役員が4月1日付で社長になった。
代表権のない会長に退いた碓井稔前社長は、インクジェットプリンターを中心に事業の多角化に取り組んできた。小川氏は碓井氏と同じ技術畑出身で、今や主力の一つとなっているプロジェクター事業を推進してきた。
ウォシュレット社長といい、プロジェクター社長といい、一芸に秀でたトップは難局にも動じないはずだ。
新型コロナがもたらす令和の大不況は長期化が避けられそうにない。そのため、今年就任した新社長たちは、結果を出せなければ短期間で“お役御免”となる確率がこれまで以上に高まっている。
ぜひともこの危機を乗り越え、修羅場に強いリーダーとして名を成してもらいたい。
TOTOが開発した温水洗浄便座の初代モデルは機械遺産にも認定された(提供/TOTO、時事通信フォト)